第132話 可憐様は友人のトキメイタ顔を見て驚愕する(6)
「だろう?」
「だろうが?」
私は御二人にニヤニヤ意地悪に微笑みながら告げられた。
だから『はぁ~、そんなことはないでしょう?』と、ここでいつもの私ならば上田先輩さまや山田さまへとブゥブゥと不満を漏らすのですが。
いくら恋沙汰に対して疎い私でも、安子さんのいつものおとぼけな様子ではなく、本当にほんのりとした桃色の染める恋心のある乙女の頬を見て確認すれば。
私の顎は『あがぁ~!』と外れるほど大きく開きなばら。
ブンブンと大袈裟過ぎるぐらい頭を振り、頷き。
「……確かにですね」
と、私が御二人の言葉に納得すれば。
「……安子の中学生の憧れの奴かな?」
山田さまがケンとメリーのスカイラインGTの助手席から顔をだして安子さまと微笑みながら楽しそうに会話を続けているイケメンのヤンキーの兄ちゃんさまを見ながらフムフムと考える人へとなりながら呟けば。
「……じゃ、ないのか?」
と、上田先輩さまも、安子さま達の和気藹々とした様子をみながら、山田さまの意見に同意だと告げる。
「……安子?」
「……何、新ちゃん?」
「近いうち、家に電話しても良いか?」
「うん、いいよ、新ちゃん。電話ちょうだい」
私はイケメンのヤンキーの兄ちゃんさまから連絡をしたいと尋ねられ、言葉を返した安子さまの更にトキメイタ乙女の顔や様子を見て──!
(えぇ、ええええええっ! うそ~~~!)
と驚愕しながら脳内で叫ぶのでした。
◇◇◇




