第130話 可憐様は友人のトキメイタ顔を見て驚愕する(4)
「……そんなに安子さまはいつもと違いますか?」
私は首を傾げながら尋ねた。
「ええ、違う」
「違うよ」
「白鳥は安子との付き合いの方は、本当につい最近だから気が付かないだけだよ」
「うん、うん、上田さんの言う通りだ! 可憐!」
山田さんが首肯しながら上田先輩さまの意見に同意……。安子さまはあれでもちょっぴり乙女のキラキラになっているらしい。
だから私が「う~ん」と呻りながら安子さまの覇気のない顔をジィ! と見詰め観察を始めると。
「……ほら、白鳥見てみろスカイラインの4ドアのシャコタンの助手席に乗っているイケメン兄ちゃんと話しをしている安子の目を見てみろ! 何時もは気だるげな魚の腐った目をしている安子なのに。今のあいつの瞳を見てみろ! 微妙だがキラキラと輝いて、少女漫画の主人公みたいになっているだろう」
「そうそう可憐。上田さんの言う通りだ。じっくりと安子のいつもの無表情顔を観察してみろ!」
上田先輩さまと山田さまが、先ほどよりもニヤニヤといやらしく微笑みながら私へと目をかっぽじってよく見てみろ! と再度告げてきました。
「はい! わかりました! 可憐がんばりますね!」
私が御二人へとガッツポーズを決めれば。
「……安子」
「……何、新ちゃん?」
「ガキの頃と違って綺麗になったな、安子……」
「えっ! 冗談……。新ちゃん?」
「……ん? 冗談じゃないって安子……。マジで奇麗になちょぉるけぇ、安子は……。ねぇ、先輩もそう思うでしょう?」
「……ん? ああ、そうだな、新。お前の言う通りで、この姉ちゃん沢〇靖子に良く似て可愛いな……。姉ちゃん、彼氏いるの?」
「あっ、そう言えば。そうだった。俺も安子に彼氏が居るのか尋ねるのをすっかり忘れちょぉった……」
「新、お前! こんなべっぴんの姉ちゃんに彼氏いるのか、いないのか、尋ねないなんて失礼じゃぞぉ」
「ああ、ほんまに、そうですね。先輩……。俺が大変に失礼でした。あっ、はははははは




