第124話 駅のロータリーは戦場です! (7)
野村先輩さまは私達のユイお姉さまの大変に有難い、教えの御言葉を思い出して、我に返り、肩に担いでいた竹刀を降ろして、己のお口を大きく開けられながら声を大にして叫ぶと。
その場で膝をついて、野村先輩さまは天を仰ぎながら。
「──うちは我を忘れてなんてことをしでかしてしまったんだぁあああっ!」
真っ青な顔で叫ぶと。
「ユイ姉さん~、御免よ~~~! うちが悪かったよ~~~! 本当にすまねぇええええええっ!」」
野村先輩さまは自戒をしながら私達の総長さまへと自分の頭を抱えつつ謝罪をおこない始めるから。
駅のロータリーを行き交う人々が野村先輩さまを見ては、御自身の足を止めると言った状態へと堕ちる混沌とした世界へと導かれけれど。少しばかり間が開けば。
「……ユイさんって誰だ?」
野村先輩さまの懺悔の言葉を聞き、何処からともなくこんな台詞が漏れ始め、騒めき、喧騒と化せば。
「そこの女学園の生徒会長さまだよ」
「そうなのか?」
「うん」
「凄いな?」
「凄いでしょ?」
「うん」
「ユイちゃんさえいれば、この駅やこの辺りの商店街は平和を保たれ、治安がいいんだよ」
「そうなんだ?」
「うん」
「素晴らしい~」
私達白鳥学園の風紀委員のメンバー達の耳へと、我が白鳥学園の生徒会長さまを褒め称え、絶賛する声が聞こえるから。
「ユイお姉さま~、すばらしい~」




