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第122話 駅のロータリーは戦場です! (5)
それも『ウガ~! ウガ~!』と、竹刀を振り上げ──。まさに少年雑誌の【鬼ばば】のように追いかけるものですら。
JRの電車を降りて──自宅へと帰るために駅のロータリーを歩いていた人達が一斉に野村先輩へと驚愕や狼狽をしながら注目するものですから。
「ノムー!」
我が学園の特攻隊の副長をしている篠崎先輩さまが鬼ばば仕様で『ウガ~! ウガ~!』と唸り、吠えながら。マツダのルーチェのシャコタン車へと駆け寄っていく野村先輩さまへと苦笑いを浮かべながら声をかける。
でッ、声をかけられた野村先輩さまはと言うと?
「──何だー、篠ー?」
だめ〇父さまのように慌てて逃げるヤンキーの兄ちゃんさまを追いかける行為を辞めて、足を止め、篠崎先輩さまの声がした方へと身体の向きを変えられ言葉を返せば。
「──ノム~、今度から気をつける~! 気をつけさすと~、相手は言っているんだ~。だから今回は許してやんなぁ~」
篠崎先輩さまは野村先輩さまへと苦笑いを浮かべつつ、マツダのルーチェへと逃げるヤンキーの兄ちゃんさまのことを許してられと、告げるのですが。




