第10話 嘆願する声? (1)
「離して~!」
「はなして、はなしてぇ~!」
「私の腕を握り引っ張らないでください~。お願いします~!」
私が『よ~し!』と気を取り直して、花〇子ル〇ルンになりながらスキップ、ランラン~♪ と歩き始めると直ぐにまた声が聞こえてきました。
だから私はランラン、カンカンになる行為をピタリ! と止め。
「あれ?」と声を漏らしながら辺りを見渡しました。
しかし相変わらず、平和公園内……。元安川の端を歩く家族連れや恋人同士のカップルさま達……。
まあ、その他のスーツ姿の人達も少女の声が聞こえていないみたいで、また私の空耳なのかな? と思い始めると。
私自身が初めての一人でのお祭り参加……。
それも私が産まれ育った広島県では一番大きなお祭り、祭典のフラワーフェスティバルなので嬉しさ……。興奮度が増し過ぎて、私自身が少し可笑しくなっているのかも知れない? と思い。
また私も自分自身へと言い聞かせれば。もう御機嫌よく、調子よく、花〇子ル〇ルンになる行為を辞め、慌てて歩き、タクシーで帰宅しようと思い。
私は元安川──。相合橋へと向かうルートで歩こうと試みれば。




