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回文短歌風 (あまりもの Ⅱ。600まで) 五十首詠 551-600 一覧

回文短歌風 (あまりもの Ⅱ。600まで) 五十首詠 551-600


01(551)

 泣かせるな 逆巻く赤い 壊劫癈う 護衛か悪魔 重なる背中

 なかせるな さかまくあかい えこうし(う ごえいかあくま かさなるせかな)


02

 神隠し 千度の煮え湯 担い合い 何故に野火 立ち敷く神か

 かみかくし ちたびのにえゆ にないあ(い なにゆえにのび たちしくかみか)


03

 問いたいか 難しい野の レアな穴 荒野の意思か 棲むか遺体と

 といたいか むずかしいのの れあなあ(な あれののいしか すむかいたいと)


04

 慕わしい 背黄青鸚哥セキセイインコ 扱いが 「ツアコンいいぜ!」 帰省時渡し

 したわしい せきせいいんこ あつかい(が つあこんいいぜ きせいじわたし)


05

 大麻吸う 八面体の 見交わす輪 神の異端め 血は渦巻いた

 たいますう はちめんたいの みかわす(わ かみのいたんめ ちはうずまいた)


06

 この欲目 交換写真 快感か 尉官!邪心か 蠢く夜の児

 このよくめ こうかんしゃしん かいかん(か いかんじゃしんか うごめくよのこ)


07

 香る里 戻る死の待つ きな臭く 亡き妻の知る 友と去る丘

 かおるさと もどるしのまつ きなくさ(く なきつまのしる ともとさるおか)


08

 仲良くし リフも絞るか 夏の日の 繋がる星も 降り敷く夜かな

 なかよくし りふもしぼるか なつのひ(の つながるほしも ふりしくよかな


09

 似る花か 逗子の飾りも カバラから 墓守坂の 静かな春に

 にるはなか ずしのかざりも かばらか(ら はかもりさかの しずかなはるに


10

 変わらしや 独活の古根は 人よ誰よ 鳶は寝る生の 問うや白墓

 かはらしや うどのふるねは ひとよた(よ とびはねるふの とうやしらはか)


11

 片道よ 野路の脇の輪 舞い立った 今わの際の 死の予知見たか

 かたみちよ のじのわきのわ まいたっ(た いまわのきわの しのよちみたか)


12

 夜は虚 通過する船 浸りきり 旅寝、古巣か 移ろう春は

 よるはうろ つうかするふね ひたりき(り たびねふるすか うつろうはるは


13

 花の野路 他愛なく辻 諫める目 妻子償い 化野の名は

 はなののじ たあいなくつじ いさめる(め さいしつぐない あだしののなは)


14

 時代世話 悪因悪果 集い合い 独活安易 句合わせ致し

 じだいせわ あくいんあっか つどいあ(い どっかつあんい くあわせいたし)


15

 山桜 一の時には 花の葉の 名は端に鬼との 墜落様や

 やまさくら いつのときには はなのは(の なははにきとの ついらくさまや)


16

 皆人は 夕の山辺の 桜原 草の部真野の 冬は鳶な無み

 みなひとは ゆふのやまへの さくらは(ら くさのべまやの ふゆはとびなみ)


17

 持て余し 風間弥生の 萵苣の木の 幸の火よ山 逆しまあても

 もてあまし かざまやよひの ちさのき(の さちのひよやま さかしまあても)


18

 説いて谷 崖下水を 懸けし石 悔過を積足し 仮我に経糸

 といてたに がけしたみつを かけしい(し けかをつみたし けがにたてきゆ)


19

 都のみ 吹く山里の 桜原 草の外様や 喰う身の子病み

 みやこのみ ふくやまざとの さくらは(ら くさのとざまや くふみのこやみ)


20

 春くすみ 形見の底に 見出す明日 民にこそのみ 高見過ぐるは

 はるくすみ かたみのそこに みだすあ(す たみにこそのみ たかみすぐるは)


21

 難しい 多胡碑調べ 扉から 人減らし日の 古代史霞む

 むずかしい たごのひしらべ とびらか(ら ひとへらしひの こだいしかすむ)


22

 春と闇 形見の底に 見出す明日 民にこそのみ 高身宿るは

 はるとやみ かたみのそこに みだすあ(す たみにこそのみ たかみやどるは)


23

 不美人等 如何にも秘めた 願い乞い 金貯めヒモに 回覧し被布

 ふびじんら いかにもひめた ねがいこ(い かねためひもに かいらんしひふ)


24

 山川や 時雨と見れば 夕べ野辺 冬晴れ見惚れ 櫛や袴や

 やまかはや しくれとみれば ゆふべの(べ ふゆはれみとれ くしやはかまや)


25

 雪消ゆる はざみの笛に 寝耳病み 峰に閻浮の身 障る雪消ゆ

 ゆききゆる はざみのふえに ねみみや(み ねにえぶのみ さはるゆききゆ)


26

 駄目な嘘 次は誰かい 騙かすか またイカレタは きつそうな眼だ

 だめなうそ つぎはだれかい だまかす(か またいかれたは きつそうなめだ)


27

 仲良くと 備えたご飯 不可知断ち 花粉歯応え 謎解く夜かな

 なかよくと そなえたごはん ふかちた(ち かふんはごたえ なぞとくよかな)


28

 悲しみも 流地にて灰さ 残す明日 この最果てに 散る紅葉中

 かなしみも るちにてはいさ のこすあ(す このさいはてに ちるもみじなか)


29

 叶う恋 捥ぎ取る愛が 誘うな 再開あると 気も憩う中

 かなうこい もぎとるあいが いさなう(な さいかいあると きもいこうなか)


30

 琴鳴くと 軒端の梅と 見ゆる鶴 弓止め卯の葉 気の毒な事

 ことなくと のきはのうめと みゆるつ(る ゆみとめうのは きのどくなこと)


31

 雛罌粟が 不意のギフトか 担い合い 何かと不義の 訝しげな日

 ひなげしが ふいのぎふとか にないあ(い なにかとふぎの いぶかしげなひ)


32

 誰推して 悪戯なキス 頂いた 大好きならず 抱いて萎れた

 だれおして いたずらなきす いただい(た だいすきならず だいてしおれた)


33

 知れ不安 恋の駆け引き 仕上がるか 悪しき日怪我の 遺恨溢れし

 だれふあん こいのかけひき しあがる(か しきひけがの いこんあふれし


34

 舞い上がる 学校帰り 吉日に 千切り絵買う子 浸かるか合間

 まいあがる がつこうがえり きちにちに ちぎりえかうこ つかるかあいま


35

 遠ざかる 絵本描く地 疎い宵 倒竹火炎 吠える風音

 とおざかる えほんえがくち うといよ(い とうちくかえん ほえるかざおと)


36

 イブニング 尼さん階下 邁進し 今快感さ 「まあ、クンニ、不意!」

 いぶにんぐ あまさんかいか まいしん(し いまかいかんさ まあくんにふい


37

 効いたのか 彷徨うと熱 良い夜よ 言いつネトウヨ まさかの大義

 きいたのか さまようとねつ いいよる(よ いいつねとうよ まさかのたいぎ)

 

38

 虫鳴かし 霞の隙に 御世の夜の 黄泉に麻痺の身 賺し悲しむ

 むしなかし かすみのひまに みよのよ(の よみにまひのみ すかしかなしむ)

 

39

 耐え難し 尾の上の人は 迸る詩 鳩は飛び野辺 野を従へた

 たへがたし をのへのひとは とばしる(し はとはとびのべ のをしたがへた)


40

 春深く 溶くる氷の ぬきもかも 絹の里誇る 功徳被るは

 はるふかく とくるこほりの ぬきもか(も きぬのりほこる くどくかぶるは)


41

 喜捨の香具師 埋もれた民の 不易無き 閻浮の身断たれ 亡者の屋敷

 きしゃのやじ うもれたたみの ふえきな(き えぶのみたたれ もうじゃのやしき)


42

 新月が 追想も呼ぶ 野路の夜の 忍ぶ世も嘘 一括検視

 しんげつが ついそうもよぶ のじのよ(の しのぶよもうそ いつかつけんし)


43

 比喩ならず 退廃買うぞ 済ませるぜ まず爽快は 悪戯な指

 ひゆならず たいはいかうぞ すませる(ぜ まずそうかいは いたずらなゆび)


44

 六つ辻 契りし人の 卯の花は 能の問ひ知り 吉日包む

 むつつつし ちきりしひとの うのはな(は のうのとひしり きちしつつつむ)


45

 剥がれた絵 蜏啼かし 斑裏 騙し悲しむ 怯え誰かは

 はがれたえ ひおむしなかし まだらう(ら ましかなしむ おびえだれかは)


46

 夜叉忍ぶ ウオツカ雨露に 供え代え 謎に老猾 王府の社寺や

 やしゃしのぶ うおつかうろに そなえか(え なぞにろうかつ おうふのしゃじや)


47

 抱き取るか 夏海水着 覆う胴 大きいスイカ 繋がる時だ

 だきとるか なつかいすいぎ おおうど(う おおきいすいか つながるときだ)

 

48

 話すのか 言霊浴びる 液雨追う 消える日数多 何処かの砂は

 はなすのか ことだまあびる えきうお(う きえるひあまた どこかのすなは)


49

 実る秋 繁吹く時雨も 遠山や 音漏れ奇しき 不思議あるのみ

 みのるあき しぶきしぐれも とおやま(や おともれくしき ふしぎあるのみ)


50(600)

 綴り字は 華やぐ鈍か 言付けつ 何処か皮肉屋 名は走りつつ

 つづりじは はなやぐにびか ことづけ(つ どこかひにくや なははしりつつ)



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