ハーゲンダッシュ再び
俺達はかばうのを止め皆でくっつき祈り念じた。
また俺の脳内や体内にも無念に殺された人の念が集まってくる。
天からさらに早い頻度で兵に向けて何本もの稲妻が落ちる。
「ぐあああ!」
限定使用スキルを連発し体が壊れそう。
稲妻を何発か食らった兵は勿論焼け焦げ死んだ。
しかし兵達は奮い立った。
「走るんだ! 落雷は垂直に落ちてくるものだ! 足を速くすればかわせるぞ!」
隊長格が指揮すると兵達は早足になった。
この為に稲妻の命中率が悪くなった。
しかも仲間が当たっても突撃してくる。
「スカーズを狙え!」
矢が何本か飛んできてバリアで防いだがバリアも上級神術なので結構力を食う。
「頑張って」
皆は激励しながら俺に力を送り込む。
俺もエネルギー切れてきて立ってるのもやっと。
でも犠牲を最小にするにはこの方法しかないんだ。
俺は一旦稲妻を止め、特訓した新技を繰り出した。
「エア・ボム!」
手で空気の塊を掴んで投げると兵士に命中し爆発した。
「ぎゃああ!」
兵の頭が、上半身が爆発して吹っ飛ぶ。
目を逸らしたかった。
この技はエアショットより上で手りゅう弾位。
普通の人間は死ぬ。
体がちぎれたりするのを見て遂に俺は人を本格的に殺した。
そうしなければならない現実。
罪を背負う事。
ロミイも祈りながら新技の目からの光と指のロケットを出す。
人間、神族でなくても彼女も理想郷に行かせたい。
しかし弓矢攻撃がきつくなってきた。
俺は胸、腹にも食った。
「スカーズさん!」
「皆体勢を崩さないでくれ! でも祈りの力が足りない、もう一人神族がいれば」
パニイも出てきたが変わらなかった。
さらに弓矢が俺を襲う。
「火刑だ!」
俺達の周りが火で包まれる。
「まずい!」
ところが矢と火は剣で打ち消された。
「えっ誰!」
「ハーゲンダッシュ!」
「まさか助けに来てくれたのか⁉」
「処刑されそうになっていた時、スカーズの両親に命を救われたんだ」




