友達と思ってる?
「ティル!」
ティルは腕に矢が刺さって痛がっている。
「駄目だ、病院に連れてこう!」
「駄目よ、そんな時間はないわ。ここで突っ切るしかないのよ」
「でも」
「授業で良く習ったけど、戦いは一の犠牲者を見捨てて九人を助けなきゃいけないって」
「俺はその話間違ってると思う。俺は別に指揮官とか参謀とかじゃないし、その人達の言う事の方が正しいかも知れない。でも俺は見捨てるの嫌だ」
「私は戦いが終わったら別の世界へ帰るから一緒に行けないし、もうすぐお別れだから」
「でも一緒に行きたいよ、寂しいじゃないか。迫害されてる人じゃなくてもティルだって行く権利あると思う。親が殺されてどうしていいか分からない俺を連れ出して導いてくれたのはティルだから」
「私は使命であり仕事でやってるだけ。それだけよ。貴方達を無事送り届ける事が使命だから」
「でも仕事や使命でもそれを通して友情とか生まれるんじゃないか。義務とかばっかりじゃないよ」
「私の事友達と思ってる?」
「当たり前じゃないか!」
「じゃあ恋愛かん……、あっ何でもないわ」
「それよりどうするかなんだけど」
見ると今度はロミイが手を広げてかばい矢を受けている。
既に何本か刺さっている。
「あっ!」
「だ、大丈夫です……、私は機械、心臓を刺されても死にません!」
俺は叫んだ。
「止めてくれ自分を犠牲にするの! ロミイだって理想郷行く資格があるんだ!」
ティルは言った。
「相変わらず優しいのね、皆にそうだし、ちょっと鈍感だけど」
アローザーは遂にロミイをかばって前に出た。
「女を盾になんかさせられない!」
ウォレンも出た。
「そうだ。俺は例え人が信じられなくなってもここにいるメンバーだけは信じたい。スカーズやロミイのおかげで救われたんだ」
アローザーは言った。
「ロミイ、君はティルに回復魔法をかけるんだ! 女を盾にした勝利なんて何の価値になるってんだ!」
ところが今度は矢が二人を襲う。
俺は叫んだ。
「駄目だ、このままじゃ誰かが犠牲になってしまう! それなら俺の周りに集まって祈ってくれ!」
「どうするの!?」
「皆の思念を祈りを通じて俺に流し込んでくれ! そうすればもっとスキルレベルを上げられる」
「しかし、かばう人間がいないと!」
「俺に全部任せてくれ! 信じてくれ!」
皆は俺に手をかけ祈った。
すると思念の力でさらにエネルギーが沸き、さらに強力な稲妻が落ちた。
「今度はスカーズを狙うんだ!」
弓兵は俺を狙ってきたがバリアが出来跳ね返された。




