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空の神、大地の神との混血少年は『超大技発動スキル』を使い迫害されている神達を救い理想郷に向かう(改訂版)  作者: 元々島の人


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屈辱の初戦闘

3月11日改稿しました。

 怪しい三人組はざっざっと靴音を鳴らしながらやって来た。

 彼らの雰囲気は高貴な騎士とは遠く、野卑で下品。

 ロミイがはっと構える


 ただ、奴らの服には紛れもなくエクスド軍の紋章が付いている。

 でもガチガチの重い鎧ではなく軽装戦闘服だ。

 

 彼らは鎧の騎士ではない。

 それが少し予想を外れたと言うか。

 その恰好が若く柄の悪そうな連中の印象を強める。


 剣術より喧嘩が好きそうだ。

 何故鎧を着ず、くだけた格好なのかは知らない。


 俺は奴らに聞いた。

「誰だ」


 チャラそうに三人は答えた。

「軍の命でお前を殺しに来たぜ」

「俺達はエクスド軍の『切り込み三兄弟だ』」


「切り込み三兄弟?」

 何か変な名前だと感じた。

 しかも油断がこの時俺の心にあった。


 二十歳程の三人組のリーダーらしき男がにやにやして言った。

「と言う事で殺してやるよ。この、ウー、ガルス、ファイダの三人がな。鎧と剣は着けないでやるよ。それで十分だ。お前なんか素手でな」


「はーっはっはっは!」

「ほらよ、武器なしだ」

 と言い何と剣を放り置いた。


「こんな奴と戦うのに武器なんていらねえ。おっと軽鎧もいらねえや」

 皮の鎧まで外し布の服だけになった。


 舐められてる。

 でも、どう見てもあんまり強そうに見えない……

 下っ端って感じ。

 

 ところがティルはいきなり泣き叫んだ。

「きゃあっ! 怖いわ! スカーズ助けて!」

「え?」


 先程までの律とした彼女が嘘のようだ。

 怖がり?


「よし、俺が相手する。敵討ちの第一歩だ」

 俺は毅然と前に出た。


 そして決意を胸に。

 敵討ちの第一歩。

 負けられない。


 俺は接近戦は苦手だから遠距離戦で挑もうと思った。

 一番真ん中のウー目掛け構えた。


 ウーは舐めているのかにやりとした。

 舐めた態度は取らせない。

 

 俺は気合を込めた。

 そして構えて叫んだ。

「受けろ、エアカッター!」


 エアカッターは高速で俺の手から飛んでいく。

 しかし何故かウーはにやりとして動こうともしない。


 カッターはウーの頬をスパッと切り通過した。

 ゆるりと傷から血が滲んだ。

「ぐあ!」


 俺はこの時効いてると思った。

 そして、ウーは大げさなまでに顔を押さえ痛がった。


 彼は全身で痛みを表現する。

 そして叫んだ。

「き、効いた!」


 しかしウーは突如過ぎるタイミングで態度を変え、笑った。

「とでも言うと思ったかバーカ」


「え?」

 どういう事だ?


「こんな小さなナイフがかすめた程度で相手を殺せるとでも思ってんのか? 俺達は命の取り合いをしてるんだぜ」


 俺はぞっとした。

「命の取り合い」と言う生々しく重い言葉。


 それに自分の弱い部分を見られた事とこいつら実は恐ろしい奴らなんじゃって。

 力だけでなく、なんて言うか。


 ガルスがまるで怯えている俺の心を見透かす様に言った。

「行くぜ?」


 ガルスはダッシュして向かって来た。

「くそ、今度はエアショットだ!」

 俺は焦って構えた。


 焦りを悟られないよう、力の限りのエアショットを今度はガルス目掛けて撃った。

 ガルスも何故か避けようとしない。


「何で」

 ドンと言う音と共にガルスは筋肉の発達した胸で受けた。


 そこにはシュワっと煙が舞っただけ。

「え?」


「ふっふっふっふっ、効かねーな!」

 ガルスは得意げに嘲笑い叫ぶ。

 また俺の心に恐怖が生まれた。


 ガルスとファイダが言った。

「ひよっとしてお前戦った事ないんじゃないか? 敵討ちとか笑わせるな」


 エアショットがロベイアンと戦った時の様な威力がない。

 あれは「限定使用スキル」でまぐれだったのか?


「今度はこっちから行くぜ」   

 そう言ったファイダが凄い速さで俺目掛け突っ込んで来た。

 俺も覚悟を決め、パンチで迎え撃とうと構えた。


 しかし次の瞬間、俺は二メートル後方に吹き飛ばされていた。

 殴られ倒れた。.


「何これ?」

 この時俺はまるで自分の受けたパンチが人間の物とは思えない程重く感じた。

 

 こんな痛みは生まれて初めてかもしれない。

 丸太が顔に激突したみたいだ。

 

 あいつはただの柄の悪い喧嘩好きレベルじゃない。

 軍で相当鍛えられてる。

 早くも頬が腫れ口から血が滲んだ。


「ぐ、ぐぐ」

 俺は無様に地面を舐めるような体勢だった。

 体に力が入らない………


 ファイダは俺を笑い見下した。

「何だこいつ? てんで弱いじゃないか。そんな気はしたが」

 さらにウーとガルスも来た。


 三人は俺を掴み起き上がらせようとする。

 そしてウーは俺の顔を殴った。

 

 凄まじく重い。

 そして深く顔にめり込む。 

 本当に下っ端なのか?


「これが蹴りだ」

「ぐあ!」


 ファイダは俺の腹を蹴り上げた。

 パンチと違い重さだけでなく鋭さ、えぐるようなえげつなさもある。


 三人は俺をいたぶり腹と顔を何発も殴った。

 いたぶりを楽しんでいる。

 

 倒れた俺を更に三人は殴った。

 エンドレスに。


 ロミイは叫ぶ。

「止めてえ!」


 俺が何か聞こうとしてるのを三人は気づいた。

「どうした?」

「あんたらは軍の差し向けた精鋭?」


 三人は心の底から笑った。

「はーっはっは! 俺達は正真正銘の下っ端よ! 生意気なガキがいるから殺せ、そうしたら階級上げると言われた下っ端三人組よ!」


 下っ端でこれ程強いのか、攻撃も効かないしパンチもすさまじく重い。

 て言うより本気で命を取りに来てる。

 攻撃も目も。


 これが戦いか。軍の強さ。

 俺は何も知らなかったのか、怖さも厳しさも挫折も。


 それに相手が弱そうだと判断した。

 それも恥ずかしい。

 

 何も知らない世間知らず。

 この前は怒りで限定使用スキルが発動してまぐれで勝っただけだったんだ。 

 切り札の空圧地熱弾も出ない。


「さーてそろそろ殺す」

 そこへティルがいきなり助けに入った。

「後は任せて」


「何だ? さっき泣き出した女か? しかも丸腰で男三人を相手だと?」

 しかしティルは眉一つ動かさない。


「死ね!」

 襲い掛かったファイダのパンチをかわしすさまじく重く響く肘打ちを叩き込む。

 食らったファイダの体が震える。 


「がっ! ががっ!」

 ファイダはばっと血を吐いた。

 

 結構吐いてる。

 まるでジュース吐いてるみたい。

 怖かった。


 さらにティルは肘打ちした場所にボディパンチを高速で何発も何発も撃ち込む。

「がはっ!」

 機械の動きみたいに無機質な攻撃が怖い。 


「野郎!」

 今度はティルは迫るガルスを回し蹴りで倒した。

 地面に崩れるガルス。


 蹴りは頬を完璧にえぐっていた。

 さらにティルはガルスに圧し掛かって気絶させるぐらい何発も殴る。

 ガルスは泡を吹きそうだ。

 

「ああ」

 ウーはティルの鬼の表情に怯える。

 立ち上がったティルはウーを睨んだ。


「女あ!」

 ウーは動揺を隠す様に剣で襲い掛かったが今度はティルは短剣でそれを受けた。

「え?」


 短剣使った。

 丸腰の女の姿で油断させたのか?


 ティルは短剣で長剣とのリーチの差を動きと腕で補い追い込む。

「あ、あう」


 追い詰められるウー。

 そしてウーの剣が弾かれ飛ぶ。


 回りこんだティルはウーの腕を掴み捕えた。

 ひねり上げる。


 そのままティルはついにウーの腕を折った。

「ぎゃあああ!」


 ボキッて音したぞ!

 凄まじい叫び。

 これが本当の戦い。


 いや殺しあい。

 あいつらだけでなくティルも。


 何て事だ。

 俺とあいつらじゃ剣道をかじった少年と殺し屋だ。

 

 それにさっきのあいつらの目。

 あれは命を取りに来る人を殺す目だ。     

 ティルも。


 ティルはウーを押さえつけ俺に言った。

「貴方が止めを刺すのよ」


「え?」

「エアショットで!」


 う、うおお。

 ここでやらなければやられる。


 この先も戦えない。

 仕方ない。


 人の命を取りたくない気持ちと戦う。

「くっ!」


 狙いを定めて

 神力を込めて集中して。

 狙うは顔しかない。


 外したら後がない。

 俺に託してくれた?


 当たるか。当てないと。

 手が震える。


 羽根と空の紋章が出た。

「わああっ!」


 当たってほしい、当たってほしくない。

 その二つの考えが行き交う。

 

 大きく振りかぶり野球のピッチャーみたいに力と心の全てを賭けた渾身のエアショットを撃った。

 

 でも、やっぱりちょっと当たらないで欲しかった。

 特大弾がウーの顎に当たった。


「ぐわ!」

 ウーはかくりと首を下げた。


 俺は動かなくなったウーに走りよった。

 ある意味怖かった。

 初めて人の命を奪ってしまったのかと言う罪との受け入れと葛藤。

 

 俺は恐る恐る聞いた。

「死んだの?」

「首の骨にひびはいってる」


 不安がさらに強くなって再度聞いた。

「助からない?」

「助かっても相当の傷ね。駄目よ相手の心配したら」


「これほどまでに戦いって凄まじい物だったのか」

「これから教えるわ」


「何で短剣使ったの? 不利じゃない?」

「軽い装備でエネルギー消耗を減らすため。私疲れやすいのよ」


「スカーズさーん!」

「ロミイ」


 ティルはロミイに対し嫌な顔を向けた。

「貴方は今頃何? 何もしてないじゃない」


 ロミイは怒った。

「何でそんな言い方」


 俺は止めた。

「おいやめろよ」


 ところが、離れて木陰に座ったティルは寂しそうに何か言っていた。

「私またシビアな事言っちゃった。二人に嫌われるかな」 


 ところがこれから更なる恐怖が待っていた。

 比較にならない程の。  

さらに言うと、お話の主人公は少し極端な性格の方が良いんです。母の言うことを絶対的に信条とし、どんな相手とも争わない、可能な限り非戦をつらぬく、今時男でそこまで母の事信望する人いないよ、と言う位でもよかったんです。そこでどうやって話を成立させるかみたいに。それか、考えの違う部分を自分で考えて埋めていく感じとか。でもこの主人公非戦を貫いたり戦いにすごい悲しみを感じているわけでもなく、割りとあっさり戦ってます。母の教えを絶対視してるようでそうでもないみたいな。その証拠にまず旅に出てまず技を覚える事からはじめてます。基本優しいけれど思った程戦いに疑問を感じてないみたいな。

後戦闘シーンについて次回作はシステムのプロットを単純化します。例え考え方が中途半端な人であったとしても、それをはっきりさせなければいけない事態に追い込まれかつつっこまれていくようにしなければなりません。

おかれた状況に対しどういう考えをもっている人かと言う事が魅力を決めるのです。


だから、まず親を殺される、でも母の言葉を最初から最後まで貫き、非戦主義のまま目的を達成する、で極端だけどりんかくのはっきりした存在感のある主人公になります。でさらに否定されても変えないか変えるかとか。

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