船にて
その夜はティルと修行した。
そして俺達は船に乗って新たな大陸に行く事になった。
自分の力も存在もまだわからない。
それに次々強敵が出るだろう。
でも俺は必ず最後までやり遂げる。
理想郷に行くまで。
船の中でティルは聞いてきた。
「スカーズ、これからの旅の目的だけど、貴方は神族を理想郷に届ける事、軍を全滅させて平和にする事とかどれを優先で大きな目的にしてる?」
「あっ、そうだ今まで成り行きで戦って来たから順位が漠然としてたんだ」
「そうよね。今までは追われる身だったから旅と戦いを両立していた。でもこれからは目的と行動をはっきりさせなければいけない」
「そういやそうだ。神族を理想郷に連れていく、だけならそんなに軍と戦わなきゃいけないわけじゃないしね」
「うん、最短距離を進めばね。でも貴方は良いの? 敵討ちの事」
「よく、ない……」
「そうよね、それが普通の人間の感情よ、神だけど。だけど敵討ちや軍を全滅させる事は回り道になって大きな時間がかかる。貴方の今の力では出来ないから」
「そうだな。俺の最大目標は理想郷へ行く事。でも敵討ちと平和を作る事は大きく関わる問題だよね」
「もともと私が来たのは地上で悪い事をしている連中をあなたに全員やっつけてもらう名目だったの。でもそれは私から見てもあまりに過酷な要求だと思うわ。天界の上司達へはまだ意見してないけど」
「俺は、小さい人間だ。俺が英雄になって皆を救うと言ったら思い上がりだ。それに理想郷に行くのが大幅に遅れる。だから理想郷へ行くだけじゃなくやらなきゃいけない事ある気がする」
「それじゃ」
「エグスド軍を壊滅させる、でもそれが駄目だったら最優先に理想郷に行く、俺が言えるのはこれ位かな」
「ごめんね難しい質問して」




