追い込み
ティルは吹き飛ばされた。
「あいつ手強い」
まいったな俺の剣術じゃ勝てないし、且神術でも駄目だ。なら
「?」
カーリアンは俺の行動を見て警戒し違和感を感じた様だった。
俺は剣を捨てた。
「俺はロベイアン達と同じ様にあんたに直接この拳で怒りをぶつけたい。剣なんか使わない」
「ほう」
カーリアンも剣を捨てた。
しめた、誘いに乗って来たぞ。
ロミイは言った。
「何をする気なんですか」
ティルは言う。
「少し危険だけど彼のやり方を見てて」
「小僧、覚悟しろ」
「いいぜ」
俺はあえて大げさなモーションで殴り掛かった。
俺のパンチはカーリアンの顔を捕えたが全く効いていない。
カウンターでパンチを食った。
二発目で俺は吹き飛ばされた。
「小僧、こんなパンチで俺を倒す気か?」
「まだまだ」
また俺は殴りかかったがあっさり返された。
カウンターで凄い剛腕パンチを食った。
歯が折れたかと思った。
俺は心にもない挑発をした。
「もっと来い」
ロミイは心配した。
「スカーズさん、何をしようとしてるんですか? あれじゃ勝ち目は」
「彼の考えは恐らく」
俺は早くも体力がやばかった。
俺は何をしようとしてるのか。
まず挑発して拳の戦いに持ち込む。
何故なら剣で切られれば一撃で決まるからだ。
勝てないと分かっててもあいつの素手攻撃を何発も食らい自分を追い込む。
これまでのパターンから行ってそうしなければ特殊スキルは作動しないからだ。
なおもカーリアンの攻撃は続いた。
重い。
めまいがして口を切って足ががくがくだ。
俺は這いつくばりながら立ち上がり食らいついた。
倒す為と言うより追い込むため。
そんなしがみつく俺の頭を掴み殴るカーリアン。
しかし俺の体にはスキルが発動しそうな気配はない。
やばいぞ体力が三十パーセントを切ってるぞ。
目は開けられず口は血が流れ足もふらふら。
「やばい、意識を失う訳には行かないんだ」
何とか立つ俺。
「貴様は本当に俺を倒す気があるのか随分と無様だが」
最後の力を振り絞って殴り掛かったがまた殴られた。
「そろそろ終わりにするぞ」
「まずい」
「まず腕を折ってやる」
「!」
カーリアンは俺の右腕を踏みつけた。
「ぐあ、稲妻よ出ろ」
「何? 何を言ってるんだ」
稲妻が出ない、地震も火柱も、体力やメンタルを追い込めば出るんじゃなかったのか?
それとも勘違いなのか?
あれを出すしかもう勝つ術がない。
「稲妻よ」
「そうか! 大技を出す為に自分の体力を追い込んだんだな?」
「ばれた」
「ならそろそろ終わらせるか」
カーリアンは剣を持ち水平の一振りからすさまじい衝撃波が起きた。
「ぐああ!」
俺達は吹き飛ばされた。
「シダンサール、お前は神族を追え」
「!」
「かしこまりました」
「そんな事はさせない」
「お前は死ね」
と近づいた瞬間シダンサールの元に稲妻は落ちた。
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