火柱と召喚獣
2月3日改稿しました。
倒れるマグーバ。
のようだが、これでも駄目だった。
一旦倒れたがすぐ起き上がった。
「ふん、もう終わりか、混血の神」
嫌みある喋り方だ。
魔界から遣わされた高度な魔物だけに。
ただ、それよりももう俺には動く力が本当にない。
だがまだ手はある。
地熱を溜めて地面に送り込み続けるんだ。
動けなくても地面に手を当て続ける事は出来るしばれないだろう。
「とどめを刺しておくか」
そこへティルの光魔法がさく裂した。
さらにロミイには奥の手があった。
「圧縮爆破!」
これは初めて見た。
マグーバが爆発に包まれる。
しかしゼッツリオンに使った時ほど規模は大きくない。
「爆弾起動は負担が大きいけど威力を絞る事も出来るのよ」
「ぐああ!」
これがかなりマグーバに効いた。
チャンスだ。
あいつが体勢を整える前に大地から地熱や火を噴出させるんだ。
今あいつはロミイに攻撃を食らって怒っているからロミイ目掛けて来るだろう。
それを防がないと。
急いで地熱を地面に送り込み続ける。
「何をやっている貴様」
ついにマグーバは怒った。
ロミイ目掛けかなりすごい瘴気火炎を吐いた。
ロミイは伏せてかわした。
「今だ!」
遂に流し込んだ熱が地面から昇る火柱となってマグーバを襲った。
「やったか!」
「まだだ!」
「くっ!」
駄目だ火柱が思ったより小さかった!
「火炎を食らい死ね!」
マグーバが瘴気火炎を吐こうとした瞬間突如特大の噴出火柱がマグーバを襲った。
前に夢に出た様ななやつ。
「え⁉」
ティルは言った。
「これはスカーズが起こしたんじゃなく、大ピンチで上級神術限定使用が発動したのよ」
しかし、これでもまだマグーバは倒れない。
何てやつだ。
今あいつはロミイに攻撃を食らって怒っているからロミイ目掛けて来るだろう。
それを防がないと。
ただ、それよりももう俺には動く力が本当にない。
だがまだある。
それは祈る事。
召喚だ。
マグーバに対抗できる神獣を召喚する。
それしかない。
俺は詠唱した。
祈った。
すると次元に穴が開きかけた。
「スカーズ! 召喚?」
「あ、ああ」
しかしまだ穴は完全に開かない。
実は神族が神獣を召喚するには魔力レベル、体力、祈る力、の三つがそろわないと駄目なんだ。
だけど今の俺には体力と祈る力がもうない。
振り絞っても足りないみたいだ。
ティルは叫んだ。
「私も一緒に詠唱し祈るわ! そうすれば二人分の力になる!」
「分かった! 詠唱と祈りのタイミングを完全に合わせるんだ!」
これはかなりの難題だ。
ロミイは言う。
「私は機械だから祈れない……二人が力を合わせるの羨ましい。おっと、私も援護しないと!」
またロミイは圧縮爆破を使った。
ついにマグーバは怒った。
ロミイ目掛け瘴気火炎を吐いた。
ロミイは伏せてかわした。
もう少し!
ティルの顔にも汗が滴る。
俺と全く心やタイミングを一体にしなければいけないからだ。
そしてついに穴は開き、光に包まれた神獣が現れた。
風の神獣、『白風狼』が降臨した。
「何だあの召喚獣は? 俺より小さいではないか。ふん」
マグーバのその言葉を打ち消す様に凄まじい咆哮を白風狼はした。
「が、がああ!」
マグーバは怯えている。
「こんな事が! ええい! 瘴気火炎で吹き飛ばしてやる!」
マグーバは白風狼目掛け瘴気火炎を放ったが何と白風狼は咆哮の衝撃波で迎え撃った。
「がああ!」
咆哮の衝撃波の方が火炎より遥かに強かったのだ。
恐ろしいまでの気迫。
しかしどこか神々しい。
そしてもう一匹の神獣鋼鉄岩石男にも来てもらいまずロミイの壁になってもらった。
俺は力を振り絞り起き上がりとどめを刺そうとした。
「空圧地熱弾!」
まだ、もう一発。
俺の渾身の二撃でマグーバは倒れた。
マグーバは倒れ際言った。
「俺はかつて魔王の体の一部だった」
「え?」
「昔の大戦で人間を滅ぼそうとした我々魔王は怪物に変えられたり霊だけになったりした。軍は魔王達を蘇らせているのさ」
ティルは言った。
「かつて地上を襲った魔王達は別の姿になりエグスド軍の支配下にあるの。普通の魔物より遥か強い魔物とこれから戦うかも」




