スカーズ倒れる
「人間になれたわ!」
喜ぶロミイ。
こんな凄い事が出来るんだ。
しかしロミイの喜びもつかの間だった。
あれ?
足元がふらついた。
「スカーズさん!」
俺は意識を失い病院に運ばれた。
ここからは俺の意識下で。
医師は言った。
「九十七パーセント死去です」
「何で!」
「今までの戦いでろくに休みもしなかったからです」
「助かる方法はあるんですか⁉」
「難しいですがエネルギーを全て注入するのです。血ではなくエネルギーを。しかも女性でなければ駄目です」
ロミイは言った。
「私がやります」
ところがティルは言った。
「私がやるわ!」
ロミイは言った。
「ちょっと! 何で貴方がやるの⁉ こう言う事は私の役よ!」
「何で?」
「好きだったからよ。ずっと」
「……私だって好きよ、大好きよ。コーチになる前天界で彼を見ていた時からね」
医師は言った。
「じゃあこうしましょう。二人から五〇パーセントずつ」
輸血の要領で二人のエネルギーは注入された。
そして俺は起きた。
「おお、目覚めましたね」
そこにはティルとロミイはいなかった。
マスターマッコリンは言う。
「ロミイとティル二人がエネルギーをくれたんだ。ちょうど半分ずつ」
「……」
「ところでな。家の数を作り間違えたんじゃ」
「え?」
「つまり君がロミイとティルどちらかを選んで住むか三人で一緒に住むかしかないんじゃ。しかもベッドが二つしかない」
俺は言った。
「三人で住みます。俺はベッドでなく屋根裏かソファかなんかで寝ます。二人が同じ位のエネルギーをくれたんでしょ? だったら僕はどちらかを選べません」
で三人生活が始まった。
家事は三人分担で。
ロミイが叫ぶ。
「今日のご飯は私です!」
ティルも叫ぶ。
「いいえ私が!」
「献立表作って担当決めよう」
何故か毎日些細な事でもめた。