理想郷へ
回復した俺は皆と一緒に現世で言うエスカレーターみたいな空気の白い坂道を渡った。
ワーグはがっくり膝を落とした。
そして道の最後に穴がある。
別次元に行く穴みたいだ。
勇気を出して飛び込んだ。
するとそこはまばゆい光が差し込む空気がとてもきれいな村の様な場所だった。
家もいくつか立ってる。
「誰かいませんかー」
「空気が凄く澄んでる」
誰も住んでないのか。
農家の様な家のドアを叩きたくなる。
俺はドアは叩かず大声で言った。
「誰かいませんかー」
反応がない。
「うーん」
そこへ声が聞こえた。
「ようこそ理想郷へ! 私はマスターマッコルン」
「この声が」
「スカーズ君たち。君達の旅はずっと見ていたよ!」
貴族のような服と長い帽子をかぶったおじさんが後ろから来た。
「あ、あの」
「ここに住みたいんだよね。大丈夫、用意してあるよ」
「え?」
「後からここに来る人もいるよね。大丈夫用意してあるよ」
「貴方は一体」
「地上に落ちてしまいそこから自分の力を蓄え同じように落ちた人の国を作ろうとした神だ」
「すごいな」
「でもここは人間は住んじゃ駄目。神だけ」
「はっ! 私は機械人形なんです」
「大丈夫、君を人間にしよう」
「そんな事出来るんですか!」
「スカーズ君はロミイ君とティル君と三人で暮らしなさい」
「ええ!」