裁きの権利
「え? あいつよく分からないけど改心しようとしたんじゃ?」
「全能の神様は何故許さないの?」
その時また声が響いた。
「あいつの罪は『ごめん』ですむものではない。それ位の悪行を犯した。もう奴は神には戻れんし人間として生きていく事も出来ん。よってここで君達に殺されるしかないのだ」
「厳しい……」
「厳しいようだが、神は決して罪を犯してはいけないのだ。まして復讐の人殺しなど言語道断だ。これは禊だ。そして君達こそ彼を断罪するにふさわしい」
何故神様が断罪しないの? って思ったけど。
また凄まじいエネルギーが溜まっている
「エアショットじゃ迎え撃てない。最大バリアだ!」
俺は残された力で皆を守るバリアを張った。
一応ワーグも入れてやった。
「君達地上人、地上に住む神によってあいつは裁きを受け死ななければならん。今こそ親の敵と思ってあいつを撃つんじゃ」
でも俺はそこまで憎めなかった。
あいつに苦しめられた人も大勢いるし、止めないとこれからも苦しくなる。
俺は最大バリアであいつの波動を受け止めた。
これは最上級神術の一つ。
「うおおお!」
やっつけるよりとにかく防ぎたかった。
しかしこれでもバリアの膜は押されている。
「皆でスカーズにエネルギーを分けるんだ!」
「そうだ! あいつは孤独だがスカーズは皆に信頼されてるんだ」
「わしもちょっとだけ」
役に立たなそうだが何とワーグも力を貸してきた。
それでも押されていた。