神を捨てる
「ぎゃああ!」
シャークアインは雄たけびを上げる。
凄まじい痛みに耐えかねる様に。
「何が起きてるんだ」
さっき聞こえた「神様」?の声がまたこだました。
「お前はもう神でも私の弟子でもない。思いあがった上に自分に勝てず人間を憎んでいるだけの鬼だ。そんなに悪に走りたいなら私が貴様を狂人化する!」
「え⁉ 神様ってめっちゃ厳しい」
「スカーズ君、彼を殺してくれ」
「え?」
「うおおおう」
雄たけびを上げながらシャークアインは襲い掛かって来た。
先程までの一定の冷静さがなくさながら獣だ。
「うおうお」
さいわい俺の回避力はまだ落ちておらず何とかかわせる。
アローザーは言った。
「何て攻撃力だ」
しかしティルは言った。
「いいえ。私にはひどく大味な攻撃に見えるわ」
確かに。
勢いは凄いけど。
シャークアインの攻撃はパンチ、掴みかかり、噛みつきなどに及びさながら猛獣かゾンビだ。
「助けてくれ」
そんな声が聞こえた気がした。
「まず氷結化させるんだ!」
ハーゲンダッシュが言い、俺も呼応して氷魔法を放った。
「全力なら凍らせられる。あいつは今魔法防御がおろそかになってる」
「うおおお!」
俺も全力で撃った。
するとシャークアインは凍った。
そこに神の声が聞こえた。
「スカーズ君止めを刺すんだ」
しかし戸惑ううちにカーリアンが突如吠えた。
「油断したな! 隙を見てあのドラゴンの力を吸い取ってやったぞ」
「人造怪物の?」
「さてと、まず翼の突風だ!」
カーリアンは両手を翼に見たて突風を起こした。
「うわすげえ」
俺は風起こしを使った。
でも向こうがパワーが上だ。
しかしロミイとティルが力を貸してくれた。
「エネルギーを分けるわ」
アローザーとウォレンも来た。
「これが貴方達に無い信頼の団結よ」
「知るか、うっ! がああ」
「もしかして人造怪物の能力を吸い取ってガタが来た?」
「今しかない!」
俺のエアショットとロミイの火の玉、ティルの弓型光魔法が炸裂しカーリアンは倒れた。
しかしシャークアインは氷を砕こうとしていた。