表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

121/130

もう怒ってないよ

「まずい。これは例え罪があってもシャークアインを擁護する必要が出てきてしまった。でもどうやって? 『僕なら君の気持ち分かるよ』なんて言っても『お前に何が分かる』と言われても仕方ない。でももし普通のやっつけ方しても俺の心に一生罪と悔いが残ると思う」

 俺はまずやっつけるふりしてかく乱しその間に何をすべきか考えようとした。


 牽制でエアショットを撃ち、見せ技として処理し迫って来た所を逃げる。

 これを繰り返そうと思った。


 この方法が上手く行き時間を稼げた。

「あいつエネルギー切れとかないのかな。しかし時間切れで俺も素早い動きが出来なくなる」


「逃げ回って俺のパワー切れを誘うつもりか?」

 厳密には違う。


 しかし作戦がばれるので逃げながらエアショットも撃った。

 その間俺は考えた。


 お前にわかるか、と言われる前提でではどうすれば彼を止められるのか。

 待てよ?


 俺は立ち止まって言った。

「もうやめよう。あんたが人を殺すほど罪が重くなって取り返しがつかなくなる」


「何?」

「人間すべてを殺したり支配してもあんたは絶対幸せになれないよ」

「幸せになる、ではない恨みはらしにやるんだ」


「虚しいよ」

「ありきたりな事を言うな!」


「俺だってもっと救いのないやつならやっつけてるよ。でもあんたは止めが刺せない」

「じゃあ、分かるから分かり合おうなんて言うんじゃないだろうな。それとも人間全てを許せなんて言うんじゃないだろうな。貴様だって親の仇は許せないだろう」


「もう、あんまり怒ってない」

「何?」


「人を殺したらそれだけ罪を負う事になる」

「覚悟の上だ」


「悪の考えで行動すると幸せになれないしいつかきっと後悔する時が来る」

「後悔などない」


「後悔しない人、いや神だっていないよ。あんたは滅茶苦茶辛い目に合ったんだろうけどそれに耐えて今ここにいるのは並みの強さじゃないよ。それは復讐だけじゃなくて人間に対する愛が少しあったからじゃないのか」

「愛だと⁉」


 シャークアインは俺を殴った。

 俺は言った。

「殴りたきゃ俺を殴れよ。いや殺してもいい」


 もう一発俺は殴られたがロミイが前に出てかばった。

「私を殴りなさい」


 ロミイも殴られた。

「スカーズさんが死んだら目的達成が」

「良いんだ。俺は皆が継いでくれるから。シャークアインはそういう人がいなかったからあんなになったんだろ」


「うおおお」

 シャークアインは頭を押さえた。


 声が響き渡る。

「私はシャークアインを遣わした本物の神だ。何があっても耐えろと言ったのに人間を憎み罪を犯した。もうお前に天界に居場所はない。弟子なのに自分が全知全能だと思いあがったからだ!」      


  

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ