ドラゴンの停止装置
ロッドロン博士のスイッチで火炎を吹くドラゴン。
「うわ!」
皆あわてふためく。
近寄れない。
俺は前に出た。
「俺はまだあきらめない。エアショットとエアボムだ」
この二つの技は対象が動かないから当たったけど全然効いてない。
でも諦めないぞ。俺はまだ撃つ。
俺は力の限りエアショットを撃ちロミイも続いて指弾丸とアイショットを撃つ。
ティルも力を振り絞り広範囲光魔法を撃つ。
あまり効いてない。
でも諦めるわけには行かない。
ウォレンが来た。
「ちょっと待て様子がおかしい。あのドラゴン吸収して力を溜めているみたいだ」
ワーグが言った。
「ほほう! 見破ったな」
ウィッセルムも言った。
「その通りだ。このドラゴンは攻撃を吸収してパワーを溜め撃ち返すのよ。やれロッドロン!」
ロッドロンは辛そうにスイッチを押した。
するとドラゴンの腹から一直線にエネルギーの塊がこちらに飛んだ。
「わっ!」
あまりスピードがないので避けられたが威力は凄まじく後方の岩を砕き溶かした。
ウォレンは言った。
「火炎放射と違い直線的だが射程距離が長い」
「でも攻撃するとパワー溜まっちゃうしどうしたら」
その時父さんの声が聞こえた。
「精神を集中してこめかみの羽根と紋章を出すんだ」
俺は言われるままに出した。
心の声で父さんに聞き返した。
「これ何か新しい技とか出せるの?」
「いや技ではない。ロッドロン博士の声を聞くんだ。いわば新しい能力のテレパシーだ。まずこちらから博士の心に語り掛けるんだ」
「テレパシー、やって見るよ」
「博士 聞こえますか?」
「え?」
「スカーズです,テレパシーで話しかけてます」
「テレパシーだって?」
「おっと声は出さないで下さい。何かあのドラゴンの弱点はないんですか?」
「ああ、実は急速停止装置を羽根の付け根に仕掛けておいたんだ。よし、次の攻撃は私がわざと外す。その隙に攻撃するんだ。私が出来る事はここまでだ」
「良し!」
俺は真正面からドラゴンに突撃した。
ワーグは笑った。
「何だやけの攻撃か? ロッドロンやれ!」
「!」
ドラゴンは俺の方ではなく明後日の方向に火炎を吹いた。
「どう言う事だ貴様裏切ったな! 殺してやるぞ」
「私にできる事はこれ位だ! 許してともいえんが」
「うおお!」
見える! 今の俺にはドラゴンの羽根の付け根の小さなボタンが見えるぞ。
俺は羽根目掛けエアショットを放った。
すると見事命中しドラゴンは動かなくなった。