蛙が帰る───
蛙ばかりの池
散歩に訪れたはいいがこの池はいつも蛙ばかりで困る。
どうすればこの蛙は帰るんだ?よく聞くダジャレは結局ふざけた冗談に過ぎないのかもしれない。
そう思うほどに蛙はずっとそこから動かない。かと言って自分からその蛙を動かすわけにもいかない。
この蛙はアマガエルと言って猛毒を持った危険な生物だ。
だがどうしたものか、やはりこの景色にはもうこりごりだ。わたしは意を決して蛙を手で動かした。
だが猛毒はなかった。体のどこを触ってもなんの症状も起こさなかった。
そういえば────どこかで聞いた気がする。
アマガエルは敵から自分を守る為に毒を放つと。
じゃあなぜこの蛙からは毒が出ないのだろう。
わたしはこの蛙をずっと見てきた。
わたしはその持っていた蛙をゆっくり降ろし、また散歩を始めた。