トイレ掃除
今日は、トイレ掃除が寝る前になってしまったな。
弁慶は、今若が使う専用トイレを掃除している。
今日は1日バタバタしていて、いつもは朝掃除するのに機を逃がしてしまった。
やっと若がお眠りになって、若にご迷惑をおかけすることなく、トイレ掃除ができる。
拙者、布団に入ってから思い出したのはいまいちだったが、眠る前に思い出してよかった。
寝る前にトイレ掃除…
次は忘れないようにしよう。
ぶつぶつ言いながら、弁慶はゴシゴシと若のトイレを掃除する。
よし、きれいになったぞ。
これでゆっくり眠れる。
若、おやすみなさい
若の専用トイレに挨拶をして、弁慶は自室に帰り眠りについた。
ー翌朝ー
「弁慶!病院に連れて行ってくれ。」
「どうしましたか?体調がすぐれませぬか?」
「何とも言いにくいのだが、弁慶話しても良いか?」
「はい、なんなりと。」
「先ほどお手洗いに行ったのだが、用を足したところ、泡だったのだ。」
「泡でございますか?」
「そうだ泡だ!」
「先日、雑誌で健康診断特集を読んだときに、書いてあったのだ。尿が泡立ったら病気のサインだと。」
尿が泡立った???
「あんなにもくもくと泡が立つという事は、私は相当ひどい病気なのではないか?怖くて1人で病院に行けぬ。弁慶一緒に行ってはくれないか。」
弁慶の顔がさっと青くなる
まずい。
これは拙者の仕業かもしれない。
昨晩のことを思い出す。
拙者は昨晩何をした?
若の専用のトイレ掃除をした。
いつものように、掃除の最後に、ブラシでは届かない水溜まりの奥の向こうまで届く薬剤を入れ、1時間待って流す手筈を……!?
流さず寝てしまったことを思い出した。
それはお手洗いの洗浄剤の泡です。若!
い、いえぬ!
昨夜に限って無色の薬剤を使ってしまった。
色付きであれば、若もこんなふうに疑ったりはしなかったかも知れない。
ううっ、どうしよう…
まずい…
なんと言えば・・・
いや、このまま病院に行けば…
いや、行く必要なしだし。
若、病かもとガタガタ震えているし。
早く心配から解放して差し上げたい。
でも……
なんと言おう……
……………!?
「若!それは尿の一時の気の迷いかも知れませぬ!!」
「は?」
若が困惑しているところへ、間髪入れず言い放つ!
「1日様子を見てはいかがでしょうか!」
「緊急事態ではないと?そう申すのか?」
「はい!!!」
元気一杯言い放つ!
「昨日までお元気でしたでしょう?急に大病になったりはしないかと。」
「確かにそうかもしれぬが……」
「そうです。きっと、尿の気の迷いでございます!!!」
「尿の気の迷い?」
「左様でございます!!!」
「うむ……」
若は黙り込む。
弁慶の額から、冷や汗がたらりと流れる。
「うむ。弁慶がそういうなら一日様子を見よう。腹が減ったな。朝食を頼む。」
「はい!!喜んでー!!」
よし!!
心の中でガッツポーズをとる弁慶
やったー!
このままやり過ごそう!
「弁慶の申した通り、尿の気の迷いだったのだな。あれから一度も泡立つこともなく普通であった。」
翌朝、嬉しそうに話す若に、弁慶の心は少しチクっと痛むのであった。
そして、素直に聞き入れる若のことが、心の底から心配になった弁慶なのであった。
改めて誓う弁慶。
『若!拙者が一生お守りいたします!!!』
心のど真ん中で、忠誠心を叫ぶ!!!
いやいや、弁慶よ!
主君には正直に!!
特に若にはね!!
お読みいただきありがとうございます!
次回は3月26日!
お楽しみに!




