とっても?
チンッ
はあ、今日は手抜き料理なのだ。
拙者夏バテかなあ。
「疲れた・・・。」
若が理解ある方でよかった。
本当にお優しい。
時々冷凍食品や出来合いのものをお出ししても、文句ひとつ言わず召し上がってくださる。
「若、夕飯でございます。」
「いつもありがとう!弁慶!」
「取手も熱くなっておりますのでお気をつけください。」
「そうか!とっても熱々とは、出来立てなのだな!」
嬉しそうな若。
『はい、たった今レンチンしたばかりですので。』
は、心の中にしまう。
さすが弁慶。
部が悪いことは言わない。
「熱っ」
「え?若?」
「手を火傷しそうになったぞ。取手がとっても熱いな。」
「取手がとっても?」
プククククッ
弁慶が笑い出す。
「どうした弁慶」
「いえ、ちょっとツボにハマりまして。」
「面白かったか?手を火傷しそうだったが。」
「先ほど取手も熱くなってますと申し上げましたよ。若。聞いてなかったのですか?しかも親父ギャグまで言って。」
ケラケラ笑っている。
「とっても熱いと言っていたから、ちゃんとフーフーしようとは思っていたぞ。」
「取手をフーフー?」
想像して笑い出す弁慶。
「取手をフーフー?何を言っているのだ?」
「??」
この話、終わりは来るのか!?
そう!これが「うかつぼう弁慶」
お読みいただきありがとうございました!