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コンすけくんと神様

 きつねのコンすけくんのおうちは、森の中の、とんがり屋根のおうちです。

「にわとりのコッコさんのお店に行ってたまごを3個買ってきてちょうだい」

 おかあさんにたのまれて、コンすけくんは、はりきって家をでました。

 コッコさんのお店は、いなり神社のとなりの細い道をまっすぐ行ったところにあります。

「こんにちは。たまごください!」

 コンすけくんが、大きな声で言うと、店のおくから、コッコさんがでてきました。

「あら、いらっしゃい。たまご何個いるの?」

「3つ」

「はい。3つね」

 コンすけくんは、たまごを3つだいじにもって歩いて帰ります。

 歩いていると、道端の切り株の上に四角い紙箱が置いてありました。

「なんだろう」

 あたりを、きょろきょろ見まわしましたが、だれもいません。

 すぐ近くには、いなり神社があるだけです。

 神社には、白いきつねがすわっていました。

 すると、とおくから、人がかけってくる足音がしました。

 コンすけくんは、あわてて木の陰にかくれました。

 かけってきたのは、小さな女の子でした。

 切り株の上の箱をみつけて、

「あった! ひとやすみしたとき、わすれておきっぱなしにしちゃったんだ」

と言って、大事そうにかかえて、いなり神社のほうにもどっていきました。

 木の陰で、ようすをみていたコンすけくんは、そっと女の子のあとをついていきました。

 女の子は、神社の白いきつねの前に箱をおいて、目をつぶって手をあわせています。

「うちのお店を、どんどんはやらせてください。おねがいします」

 女の子が目をつぶって手をあわせている間に

 コンすけくんは、そっと箱の中身をのぞいてみました。

 なんと中には、コンすけくんの大好きな油揚げが入っていました。

「わぁ、油揚げだ! ぼくだいすき!」

 コンすけくんは、がまんできずに食べてしまいました。

 食べた後、コンすけくんは、(しまった!)とおもいました。

 コンすけくんは、わるいことしたなぁ、とおもったので、コッコさんで買ってきたたまごをひとつ、箱に入れて木の陰からみていました。

 長い間、目をつぶって手をあわせていた女の子が、目をあけました。

 箱のふたがずれています。

「あれ、箱のふたがうごいてる。なんで?」

 そうっとふたをあけてみると、油揚げのかわりに、たまごがひとつはいっていました。

「うわぁい。神様がたまごをくれた! 願い事もかなえてくれるかなぁ」

 女の子はとってもよろこんで、たまごをだいじにもってかえりました。

 コンすけくんは、(神様ってなんだろう?)とおもったけど、

「よかった」

と、つぶやいてかえっていきました。


 家に帰ったコンすけくんは、おかあさんに神社であったことを話しました。

「いなり神社はね、商売の神様なの。きっと、その女の子のおうちはお店をしてるのね」

 おかあさんは、にっこりわらって言いました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] コンすけくんが油揚げを食べてしまった罪滅ぼしに、女の子にたまごをプレゼントしたところが良かったです。コンすけくんのお母さんも優しかったですね。 [一言] 今回登場した女の子とコンすけくんが…
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