2.アイスのせい
一瞬だった。
ええもうそりゃ一瞬だったよ。
何があったのかと思ったら、私は今、光に包まれている。ふわふわ浮いている。
あれ?さっきたぶん大型トラックがコンビニに突っ込んできたような。そしてその目の前に私がいて、ぶつかったような……。
えっ?
私死んだ??
嘘でしょ?????
なにこれ今どういう状況?????
何もない、ただ光に包まれた中で私は今浮いている。
これは夢?寝てるだけ?ていうかアイスを買いに行ったこと自体が夢だった?
いやそんなはずない、確実にアイス買いにいった。そしてコンビニから出ようとした。
そして……。
「これは死後の世界とか?え、最悪……こんなところで死ぬの??アイス買いに行っただけなのに??」
何で私アイスなんか買いに行ったんだろう?アイスなんていつでも食べられるじゃん!!!!バカ私のバカ!!!
考えれば考えるほど後悔しか生まれない。
『ねぇ』
ん?
『ねぇ聞こえる?』
「………だれ?」
誰かが話しかけてくる。でもなにも見えない。人の気配もない。どこにいるのだろう。そして誰なのか?
『ごめん間違えちゃった。てへ』
「え、っと……何をですか?」
『今回が成功だと思ったんだけど、本当は失敗だったみたい。でもこれで次は成功するよ!!』
「何が……え?次って?ねぇここどこ??」
『ごめんねー!なんとかするから!あは』
言ってる意味が理解できずにいると、突然大きな光に吸い込まれるように体が引っ張られた。
「えっ、なに?!いや!吸い込まれる!誰か助けてぇーーー!!」
誰もいない。誰も助けてくれない。さっきの声の人もどこかに行ってしまったようだ。
体が勝手に大きな光の方に吸い寄せられる。掴めそうなものが何もない。
どんどんと力が強くなる。じわりじわりと、大きな光へと近づいてしまう自分の体。
「イヤーーーーーー助けてーーーーーー」
パチ。
目を開けた。ここはどこだ?病院に運ばれたのかな?
これベッドだよね?でもこのベッドも天井も、っていうか部屋全体が豪華絢爛なんだけど。
特別室とか?
にしては、ごっちゃごちゃしてて何がなんだかわからない。
お金を持ってる人が、高価なものとりあえず全部集めて飾りました的な?
目にうるさい部屋だなぁ。
「目がチカチカする……」
「お嬢様?」