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朝食 なんでもある家

4話


疲れもあったのか、あのあとベッドに横になったらすぐに寝てしまっていたようだった。

気付けば窓の外からは朝の日差しが差し込んでいる。

寝起きで重い体を起こしのそのそと一階に降りる。

そこにはエプロン姿を身に纏った鬼娘が軽快に料理をしていた。

「おぉ起きたかの、早起きとは感心じゃ。そこに座っとれ、今朝飯を作るからの」

そう言ってジュージューと音を立てて料理をしている。

電気も通ってればガスもある、ここにはなんでもあるようだ。

本当に樹海の奥なのか、実はここは別世界のどこかなのではないか、そんな疑問すら抱いてしまう。

「ちなみにワシが使ってるこれはガスではないぞ」

「えっ?」

心を読まれたかのように富士乃さんに言われてハッとする。

よく見ると、炎の中に玉のようなものがある。

「これは『鬼火』と言っての、まぁワシが持ってる特殊能力みたいなものじゃ。あんまり深く考えんでええぞ、詳しく説明してもわからんじゃろうからな」

そう言ってテーブルに並べられたのは卵焼きやサラダ、そして焼き魚だった。

「どうじゃ?ワシなりに『和』をイメージして作ってみたんじゃが」

そう言う富士乃さんはどこか誇らしげだった。

それを見た私は何故かふふっと笑みが溢れてしまい頭を撫でてしまった。

「ぬおっ!急に頭を撫でるのはビックリするじゃろ!」

「あ、ごめんなさい・・」

「うむ、分かればよろしい。じゃあ早速ご飯を食べるぞい」

富士乃さんが席に座ったので私も向かいの席に座る。

なんだか家族が集まって朝ごはんを食べてるような感覚に陥って、ちょっと私は嬉しかった。

「・・ふふっ」

「なんじゃ?急に笑い出して」

「いえ、なんでもありません」

嬉しい、この感情は胸の内に秘めておこう。

富士乃さんに余計に情を持たせるのは食われる側としては配慮に欠けると思ったからだ。

この人に食べてもらえる、なんだか最初は怖いって思っていたけどここまで大切に育ててくれるなら寧ろ私はこの人に食べてもらいたい。

そんなことまで考えるようになってしまった。

「そうじゃ、ワシは飯を食べたら畑とかを見に行かねばならん。それまでは部屋にいるなり樹海に入って色々散策してみるものアリじゃろう」

「・・でも樹海に入ったら迷ってここに戻ってこられなくなりませんか?」

「大丈夫じゃ、渡したスマホの電波はある程度まで届く。それのマップを使って帰ってこればいい」

「・・ハイテクですね」

「じゃろ?ワシが知り合いに無理やり頼んで色々やってもらったんじゃ」

その人、かわいそうだなぁって反射的に思ってしまった。

朝ごはんは思いの外美味しかった。またこんなご飯が食べられると思うと少し嬉しくなってしまう。

「それじゃワシは行ってくるのでの、鍵とかは気にせんでええから好きにするがよい」

そう言って富士乃さんは外に出て行ってしまった。

私はどうしようかなと考えたけど、とりあえず外を散策してみることにした。

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