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序章 世界の破滅
この作品は螺旋の時間からの脱出ゲームの後に投稿しようと思っています。
しかし、最後に投稿したのが4月なので何か投稿した方がいいと思い、序章を投稿しました。
何もないただの平地。
暖かく日が差し、そよ風が頬をそっと撫で、草は悠長に揺れている。
ここはそんな平和な世界のはずだった。
そんな世界はある日、壊れた。
一つの爆音によって。
群れを成した戦士達が世界に入り込んだ。
爆発が起こる度、剣が唸る度、一人、また一人と命を散らし星となっていった。
何もかもが黒く焦げ、塵となった。
その中には人間以外の生体もあった。
獣、鳥、竜、そんな生き物でさえ命を削られ、やがて散った。
炎の海となったその平地には数多の死体が転がっていた。
世界の破滅を連想させられるその光景の中、ただ一人立ち上がった者がいた。
しかし、その者の命は風前の灯だった。
かすれた声で何かを口にしていた。
それは何も聞き取れないが何かを意味する言葉だったのだろう。
その世界は水晶玉となり、砕け散った。
世界は完全に消滅したのだ。