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81.王国を抜けて

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ドンドンドン!ドンドンドン!


―――俺の目覚めは、騒音と共に訪れた。部屋のドアを叩く音が鳴り響いている。


 半分寝ている体を無理矢理動かして、ドアに向かう。


「こんな朝っぱらに誰だよ・・・」

がちゃ


「朝っぱら!?朝っぱらじゃないわよ!さっさと支度しなさいよ!」


「何だテイルかよ・・・ふぁ〜ぁ、なんの用だ?」


「だから!さっさと支度しなさいって言ってるのよ!もう19時よ!」


ぱちっ

「え・・・マジ・・・?」


 ようやく目が覚めた。確かチェックアウトは20時だ。―――急がなければ!と言っても特に荷物は無い。着替えて、テイル達と合流だ。


 急いで着替え、部屋の鍵を閉め、鍵をフロントに返す。ギルドのロビーにある椅子には、テイルが座って待っていた。


「悪い、遅くなった。」


「本当よ!何時まで待たせる気なの?」


「まぁ落ち着けって。で、リーア達は?」


「こんな表の方で待っているわけないでしょ?裏口から出るわよ。ハルカを連れてくるのが、私の役目なの。」


「そうか。そういえば、足は大丈夫なのか?」


「ええ!昨日の夜ぐらいから歩けるようになったわ。お医者さんも、歩く分には問題無いって。」


「それなら良かった。じゃあ行くか。」



 テイルと二人で、一度支部長室に挨拶へ行く。テイルが歩いているのを見る限り、変な感じはなさそうだ。アルバートさんは今日も忙しそうだったので、早めにお暇してきた。

 リーア達を部屋に迎えに行く。


コンコン

「リーア、ミア、出発できるか?」


がちゃ

「あ、もう出る?ミアー!行くよー!」


 ドアを開いて顔を出してきたのはリーアだ。どうやらもう準備は出来ているらしい。アルバートさんから、鍵は部屋の中に置いておけば良いと言われていたので、わざわざ受付に戻ることもない。


「よし、じゃあボク達の集落へ、二人を案内するよ!」


「私も、案内しますよ!」


「あぁ。頼んだぞ。」

「よろしくね。」


 収容所側に一度出る。昼間は夜と比べて少し嫌な空気は薄れているが、何度来ても雰囲気は最悪だ。

 建物から出てすぐに横に曲がり、少しした所にある石のアーチをくぐる。このアーチ、完全に気を抜いていても魔力探知(ディテクション)に強く反応する。物凄い魔力が蠢いているのを感じる。


 アーチをくぐると、そこはヴァシリアの商店街の裏路地だった。そこからはテイルの領分で、北門まで連れて行ってくれる。リーアとミアはフードを深く被り、見つからないようにしている。


 前回同様、出る時に身分確認は必要なく、ヴァシリアから出れた。ここからはグルシュ王国の北東端を目指す。


「さぁ!ここからはボクが先頭になるよ。来た時に道は頭に入ってるからね。」


「リーア、人が居たらフードを被ったほうが良いわよ?王都外でも、亜人迫害の風潮は強いから。」


「分かってるよ。ミアも、気をつけてよ?」


「うん。」


 そこからは早く移動ができる。テイルは走れないが、スキルで着いてくることができる。ただ、着地は足に負担だという事で、上手くスキルを使って着地時に地面を押す事で自分を少し浮かしている。

 ただ、体力バカの俺が歩いて半日弱かかった道のりだ。ずっと走り続けるのは辛く、途中で休憩を入れている。座って休んでいる時、テイルが話があると言って二人と少し離れたところに来た。


「あの、ハルカ・・・その・・・」


「なんだ?」


「昨日の夜の事なんだけど・・・」


「昨日のよr・・///」


「あの時ね、本当はああいうことが無いように、替装(カンザ)を使おうと思ったの。でもね、服の形が違いすぎるせいなのか上手くいかなくて、それで、その・・・///」


「そう、だったんだな。分かったから、もう思い出させないでくれ///」


「あっ!ごっ、ごめん・・・」


「いや、こちらこそ・・・」


 そのままどちらからとも無くリーア達の元へ帰った。確かに、言われてみてからそんなスキルがあったなぁ、と思い出した。つまり俺はラッk・・いや、何でもない。うん。


 そこから少しして、日が傾き始めた頃、白い壁が見えてきた。リーアとミアは一時別行動だ。検問の反対側で待っていると言った。


「すいません、これ、魔銅板です。」


「お二人分ですね。えーっと、テイル・ロンド、ハルカ・タチバナ。名前に間違いは?」


「ありません。」

「合ってるわ。」


「では、これらの魔銅板を検査に掛けさせて頂きます。」



「はい、偽りはありませんね。魔銅板はお返し致します。森は魔物も出るので気を付けてくださいね。それでは、良い旅を!いってらっしゃいませ!」


「「ありがとうございました〜」」


 検問を通ると、そこには、グルシュ王国に来た時とは一変、緑が広がっていた。少し場所が違うだけでここまで違うものだろうか。


「シィ砂漠とは大違いだな。」


「そうね。最近は、地下だの収容所だの医務室だの、変な臭いばっかり嗅いでいたから緑が気持ちいいわ。」


 確かに、と共感してやりたいところだが、俺は昨日森に入っていたりする。


「―――おーい!ハルカー!テイルー!」


 声のした方を向くと、少し遠くの場所からリーアとミアが走ってきている。無事に壁を乗り越えられたみたいだ。


「よし、じゃあ森に入りましょう。ボク達の集落があるのは、この森の中心部だから、まだ少し歩くよ。」


「森の中にはそれなりに強い魔物も居るので、気を付けてくださいね。」


「おう、分かった。」


「じゃあボクに着いてきてね。はぐれたら危ないから、ゆっくり行くよ。」

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