75.緊急参戦
投稿時間っていつぐらいが良いんですかね・・・?
俺は血塗れで倒れており、テイルの状況は分からない。ただ、声、いや、叫びが聴こえる。
―――意識がハッキリしてくる。
「雷磁砲!」
誰の声だ?テイルではない事は確かだ。
「おいハルカ!早く起きてくれ!ふんっ!」がきっ
「僕一人じゃ・・・雷磁砲!」
「流石に辛いんだが?はっ!」がきん!
―――どれくらい倒れていただろうか。回復促進のお陰で呼吸は痛くない。意識もハッキリしている。ただ、背中の傷は痛いままだ。
「ハルカ!?起きたのハルカ!?」
テイルの声?―――ゆっくりと体を起こす。目の前にはテイルが居た。
「おいハルカ!早く加勢してくれ!」
「ハルカ、動ける?」
「何とか、な!」
ニックが俺に気を取られていたせいか、後方からの攻撃に気付いていない。一気に起き上がり、体当たり!
どさっ!
「あ、ありがとうハルカ。僕も疲れが溜まってきてね・・・」
ニックもところどころに切り傷がある。こいつらのスピードとパワーは伊達じゃない。
敵は、俺が戻ってきた事に少し動揺したようだったが、すぐに攻撃は再開された。
「それにしても、射氷!なんで、ニックが?」
「アルバート支部長に頼まれてね。詠唱破棄、貫氷!急いでグルシュに来たんだけど、君に傷を付けさせてしまって、すまない。」
「グルシュにって、速すぎるだろ・・・おらっ!」
「そんな話は後だ。とりあえず、今から3人倒す。ただ、僕は動けなくなり、防御力も無くなる。残りを倒せるかい?」
「本当に3人倒すならな。」
「分かった。ではハルカを信じよう。君が負けたら全員が殺されるという事を念頭に、戦うといい。」
そう言われると一気にプレッシャーだ。テイルも足に切り傷を受けて動けなさそうだし、本当に俺一人で3人も倒せるか?こいつら、俺の上位魔法を数発受けても何事もないかのように動くのだ。少し不安になってきた。
「潰敵優先!超攻撃!闘攻!
詠唱破棄!双閃雷!雷磁砲!」
スキルと強化魔法を組み合わせて約15倍に強化された上位魔法と、同等の威力を持つ勇者のスキルが3人に照準を合わせて襲う。回避を試みるが、雷の速さの前に無駄に終わる。
どさっ
どさどさっ
「―――後は頼んだぞ・・・!」どさっ
勇者のスキル、潰敵優先は、一瞬だけ攻撃力を10倍に上げる代わりに、BP、HPの値が0になってしまう。そういえば最初に防御壁を壊したときにテイルがそんなスキルの事を話してたな。
さて、後は倒れているニックとテイルを守りながら残りの3人を倒すだけだ。仲間が倒された事に何の反応も示さずに襲ってくる。
「おらっ!全く、何人も同時に相手するのは、はっ!嫌いだよ!閃雷!」
ナイフに対して長い剣は不利だ。防ぐために振る事も出来ず、小回りも利かない。だったら押し切るしかないか!
「超攻撃!おらぁぁ!」
左右と上から迫っている。剣を思い切り振りまわして横の二人を斬r・・固くて切れない!?じゃあ吹き飛ばす!
「塊水!」
上の掌を向けて流波を使いながら、剣先で魔力を誘導し、3人を巻き込む!
「テイル、ニックと一緒に地面に張り付いてろ!
地獄の灯火よ、全てを飲み込み灰と成せ!」
爆燃翼飛獄を距離を置いた3人に撃つ。流石にこれを耐えられたら俺も驚く。もしくはこの狭い通路で、波にのまれた後に炎から逃げることができれば、生きているかもしれn・・
───っ!
「絶断壁!」
がきん!ガガガガガガガ!
まさか本当に炎を避けるとは思わなかった。ただ、飛び出してきたのは1人だけだ。後の2人は倒せただろうか?まぁ、あと1人なら俺が動いてもテイル達に危険は及ばない。サシなら動いた方が戦いやすいに決まっている。俺も本気で動くとするか。
「おらぁ!後はお前だけだ!」
絶断壁が途切れた瞬間に俺の方から攻撃を仕掛ける。剣をお互いの間に挟んで、ナイフを近づけさせない。数歩下がられたら数歩前へ、走り出したら追いかけ、壁を走り、天井を蹴り、狭い通路を飛び回る。
「射氷!」
氷柱で行き先を塞いだり、突けないかと狙ったりしているが、なかなか難しい。
左右の壁を蹴りながら進んでいた時、急にUターンしてきた。
「うわっ!」
体制が崩れた俺の首元にククリナイフが・・・
「重力指定!」
ばん!
「ふぅ・・・ようやく押さえつけれた。さ、終わりにしよう。」
残りの魔力からしてもそんなに長くは押さえつけていられない。剣を振り上げ、殺さないよう背中を狙って振り下ろす!
バキン!
「・・・え?」
俺も何が起こっているのか理解するのに少し時間を費やしたが、これは結構衝撃的だ。
───俺の剣が折れた。
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