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62.浦島太郎

更新時間バラバラで申し訳無いです・・・

「あなた、旅人のくせになかなかやるわね。」


「随分余裕そうですね。」


「そんなことないわよ?」


―――っ!

 気付いたときには既に俺は炎の中だった。まぁ効かないのだが。


「ニック、会話途中に魔法とは、優しくないな?」


「おぉっと・・・無傷かい・・・」


 ニックも流石に動揺したな。今はニック、俺、エスティラさんが一直線上に並んでいる状態で止まっている。緩く話してはいるが、臨戦体制に変わりはない。


「なぁ、そろそろ俺から攻めてもいいか?」


「勿論だとも。君のスピードも見させてくれよ!」


 俺は足に力を入れて一気にニックへ突っ込んで行く。と、同時にエスティラさんも追ってくる。

 両手で剣を握り、力を込めながら左に構える。


超攻撃(スーパーアタック)!」


 ニックが両手で三角形を作るようにして体の前に出した。構わずに剣を振る!


質重流(ワンスグ)!」

 俺は思いっきり振りぬいた、はずだった。ニックに当たった瞬間に、剣の動きが止められてしまった。いや、正確に言えば衝撃を吸収されたような感覚だ。俺の剣と体は、ニックの目の前で止められたのだ。それはつまり、後ろから迫ってきているものへの対応が遅れるという事であり、


超攻撃(スーパーアタック)近接増強(コンフィルナック)爆発拳(エクスフィスト)!」



どかっ!

バァン!



爆ぜる拳が俺の体を吹き飛ばし、壁にぶつかる。背中に爆発を喰らったので軽く火傷しているのか、ヒリヒリする。それにしても物凄い威力だ。

 魔力の急激な流れを感じ取り、急いで起き上がって横に跳ぶ。


「あら、避けられちゃった。」


 俺の真横にはエスティラさんの蹴りがあった。もし当たっていたら潰されていただろう。

 さっき殴られた瞬間に、安全の為しまっておいた剣を急いで取り出して、低い姿勢のままエスティラさんに斬り掛かる。



ぶん!



 ギリギリのところで避けられた。振り切ってしまったせいで、上から拳が迫っている。


爆発拳(エクスフィスト)!」

絶断壁(プロティシーマ)!」


がきっ


「エスティラ!―――雷磁砲(アビルコノン)!」


 名前を呼ばれただけで何を伝えたいか瞬時に理解したエスティラは、魔力の壁から拳を離して横に避ける。

 エスティラさんの後ろから直ぐに、雷の塊が物凄いスピードで飛んできた。絶断壁(プロティシーマ)はそんなに長続きしないので、モロに喰らってしまった。体中に電気が走る。


「ぐぁっ!・・・あ、貫k(アイシクr)・・」


「遅いわよ!爆発拳(エクスフィスト)!」


ばきっ

   ドォン!


―――痛ぇ!何とか抜け出したいが、後ろが壁でどうにもできない。ニックが使ってくる雷磁砲(アビルコノン)は勇者のスキルなので魔力を使っておらず、無効化することができない。エスティラさんの爆ぜるパンチも、スキルなのか、無効化できない。これではまるで浦島太郎の亀のようだ。


 急所を外して何とかしてはいるが、どんどんダメージが溜まっていく。このままではジリ貧だ。―――と、その時、雷磁砲(アビルコノン)爆発拳(エクスフィスト)がほぼ同時に来た。今だ!


絶断壁(プロティシーマ)!」


で、横に抜ける!―――流石に二人の同時攻撃には耐えきれず、魔力壁が破壊された。だが、俺は抜ける事ができたのでセーフだ。ここから反撃開始だ!


 あの魔法を使おう。俺は両手を二人に向けて、魔力を集中する。

重力指定(パルジート)!」


「ぐぅ・・・やるねぇ・・・」

「何、これ・・・」


 少し強めにしたので、二人とも膝を付いてしまっている。ただ、俺も魔力消費が激しいので長くは続けられない。


「ニック!エスティラさん!死ぬなよ!

空を走り地を駆ける雷が与えし閃光よ。我の元より放たれよ!双閃雷(ツインライトニング)!」


 この試合の中で、詠唱時間は命取りだ。ただ、ニックのように必要無かったり、相手が動けない時に使う分には良い。室内での煌閃雷滅豹(グ・ラ・パンサー)は効くだろう。

 雷が部屋中に落ち、床を這い回る。双閃雷(ツインライトニング)電磁砲(アビルコノン)の比ではない電圧の雷が、二人を襲う。


「ぐぁぁぁっ!」

「きゃぁぁっ!」


 声を聞くところ、結構効いていそうだ。このまま決着が付けばいいのだが。


魔動弾(マジカレッド)!」


 雷が完全に無くなるまで約15秒。そろそろ光が収まるだろうという時に、俺に向かって淡い水色の輝く球が飛んできた。


「うわぁっと!」


 予測していない攻撃だったが、普通の魔法より魔力の流れが激しく感じられた為、ギリギリ避ける事ができた。


「避けられたかい。やっぱりハルカに不意打ちは通じないね。」


「おっと・・・生きていたのか。」


「はは、冗談は殲滅魔法だけにしてくれ。死ぬかと思ったよ。・・・いや、あれだけ膨大な魔力を消費してダメージを軽減させたのにこれだけの威力。素晴らしいよ。」


「お褒めに預かり光栄でございます勇者様。」


 今ニックが撃ってきた魔法は、ルイルも使っていた、魔力の塊をそのまま放つ低位魔法だ。他の魔法と混ぜ合わせやすいらしく、今のニックからの魔動弾(マジカレッド)にも、水の魔力が付与されていた。


「それにしてもニック、低位魔法を使うなんて、ダメージ削減の為に魔力を使い過ぎたか?」


「・・・・・」


「あれ?図星k・・っ!」


 急いで体を捻らせて回避行動に移る。


「私の事を無視して、楽しそうにお喋り?」


「エスティラさんもまだ動けますか・・・!」


「いいえ、殆どHPは残っていないわね。さっさと倒させて貰うわ!」


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