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60.再検査

昨日は投稿時間が遅れてしまったのにも関わらず、普段通り見に来て下さってありがとうございました・・・本当に読者の皆様にはやる気を頂いています。ありがとうございます。

今後もよろしくお願いします!

 俺は魔銅板を見た瞬間に、テイルが置いて行った魔銅板に手をかざした。すると、5秒ほどでテイル、ルイル、白衣を着た医者の様な人、様々な色に染まった白衣を着て眼鏡をかけた研究者の様な人が走って来た。


「どうしたです!」


「何かあったの!」


「どうされましたか!」


「大丈夫ですかぁ!」


「あ、えと・・・あの・・・そこまで急いで頂くほどの事ではないんですけど、ちょっとこれ、見てください。」


 まさかこんな大所帯だとは思わなかった。悪い事をしてしまったな。とりあえず俺は魔銅板の獲得スキル表示欄を指差す。


 すると、眼鏡をかけた研究者の様な人が口を開いた。


「これは・・・【旅人】の職業スキルですねぇ。知ってはいましたがぁ、私も持っている方は初めて見ましたねぇ。」


「初めてです?」


「えぇ。そもそも旅人という職業はぁ、こんなレベルまで上がりませんからねぇ。」


「私は、初めて知りました。このスキルがあったから、ここまでの回復力があったのですね。」


「ゴブリンは知能が高い代わりに、獲得できる経験値も多いから、一気にレベルが上がったのね。もしこのスキルを獲得できていなかったら・・・」


「嫌な想像は止めましょう。生き残れたのです。その事に感謝しましょう。───さて、ハルカさん。私があなたを治療したのは昨日であり、安静にするべき期間を決めたのも、その時です。」


「はい。」


「今から体の状態を再度検査し、もし一定値より回復していれば、あなたが今日の午後の模擬戦に出る事を認める事が出来ます。2時間ぐらいかかりますが、どうしますか?」


 まじですか!?それは嬉しい。今までの冒険者人生で、旅人で良かったと思ったのは無限収納(スナフ)を手に入れた時以来だ。


「もちろん、お願いします。」


「分かりました。ではあっちの部屋でやって行きましょう。」


 俺は医者の様な人に連れられて隣の部屋に移った。そういえばここがどこなのか分かっていなかったが、廊下に出たら一瞬で分かる、ロンド家の屋敷だ。また世話になってしまったな。後でムーディさんかアイリスさんにお礼を言いに行こう。


 部屋に入ってからは、魔道具を体にかざされながら画面を確認していたり、スキルの様なものを使ったりしながら紙に何か書いていた。1時間ちょっと経ったところで終わりが告げられた。


「はい、検査は終わりです。お疲れさまでした。結果は、テイルさんとルイルさんも呼んでから言うとしましょう。」



 その後、俺、テイル、ルイルに向かい合って医者が座り、結果が書いてある紙を見せながら説明してくれる。


「スキルの特性で内臓は早く修復されていて、破れていた腸は健康そのものであり、左肺も正常です。肋骨に関しては、一応くっついてはいます。ただ、強い衝撃があると簡単に折れてしまうでしょう。そして、体全体に関して、血液は十分な量に戻り、魔力管も修復されています。ところどころ多少痛みを感じるかもしれませんが、問題ありません。肋骨が脆くなっている事を除けば、健康な状態と言っても過言ではないです。」


「それは、つまり?」


「ええ。模擬戦を行っても大丈夫でしょう。ただし、模擬戦後に再度検査をさせていただきます。よろしいですね?」


 これで医者からのオッケーも出た。結果を一緒に聞いていたから、テイルやルイルも止めないだろう。さて、軽く体を動かしに行くか。その前にお礼を言いに行かないとか。



──────────────────



 今俺はムーディさんの部屋の前に来ている。


コンコン


「ムーディさん、ハルカです。今、よろしいですか?」


「ハルカ君か?良いぞ。」


「ムーディさん、ありがとうございました。医者の方も呼んでいただき・・・」


「いや、ハルカ君が無事でよかったよ。娘二人も無傷で帰ってきたし、大きなゴブリンの群れを全滅させたみたいじゃないか。本当に、ありがとう。───そうだ!」


 そう言ってムーディさんは机に向かい、引き出しから小さな革袋を持ってきた。


「今回の報酬だ。受け取ってくれ。」


「い、いや!受け取れませんよ!命を救っていただいたのに!」


「でもゴブリンは全滅させた。娘達も守ってくれた。つまり、依頼は達成しただろう?それなら、報酬を受け取るのが義務だぞ。」


「・・・なら、頂きます。ありがとうございます。」


 そうして俺は部屋から出た。お礼を言いに行ったはずが、報酬を貰ってしまった。なんだろう、気不味い。こっそり覗いてみると、革袋の中には50000シェル相当のコインが入っていた。金持ちは恐ろしい。

 とにかく、俺は身体を動かすために動ける服に着替えてから外に出た。屋敷の周りを走り、剣の素振りをし、体幹を鍛えて、魔法の練習をする。体の感覚はいつもどおりだ。レベルも上がり、MPが更に増えたが、模擬戦の中での魔力の消費スピードは考えた方が良い。特に絶断壁(プロティシーマ)の使いどころは、事前に考えておいた方が良いだろう。

 途中でお昼ご飯に呼ばれたが、ルイルと二人で魔法部屋に引き篭もっていたので携帯食で済ませた。屋敷の人には悪いが、誰かと食べる携帯食は美味しい。約束は30時だったので、29時には運動を止め、テイルに頼んで魔力用回復薬(ポーション)を一本貰って飲んだので、準備万端だ。


 さぁ、ニックとそのお仲間さんよ。かかってこい!

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