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55.村人

更新時間を一定にしたいんですけどね・・・書き置きが無いので難しいんですよね・・・

 スミさんとの試合の後も魔法の練習をしたり、剣(鞭)の素振りをしたり、走ったりとしていたら、時刻は34時を回った。ルイルも22時から12時間も籠ってさすがに疲れたのか、3人で休憩中だ。それにしても小さい子の体力は尋常じゃないな。HP云々というより、好きな事をしていると時間を忘れるのだろう。


「そういえば、グルシュ王国のギルドってどこにあるんだ?」


「王都にだけあるです。他の場所からは、街の役所か領主の屋敷から連絡して冒険者を派遣してもらうしかないです。」


「あと、グルシュ王国で冒険者登録をしている冒険者は、王国からの強制招集依頼を断れないの。それが嫌で、私はナシヤットまで行ってから冒険者登録をしたのよ。」


「なるほど、国ごとに色々と違いがあるんだな。ていうか、連絡ってどうやるんだ?」


「魔道具よ。通話は腕輪型の物が多いわね。うちの中でも使ってるわ。」


 あー、そういえば門番の人が使ってたな。あれ魔道具だったのか。多分高いんだろうけど、ぜひとも欲しいものだ。



コンコン


「すいません、ハルカ様はいらっしゃいますか?」


「はーい、居ますよ。」



がちゃ



 魔法部屋に来たのは若い方の執事―――グリルさんだ。俺に用みたいだが、何だろうか。


「ハルカ様、少し、よろしいでしょうか。」



 俺はグリルさんに連れられて1階の応接室に来ている。応接室には、アイリスさんと、知らない人がいた。


「ハルカさん、あなたが丁度いてくれて本当に良かったです。」


「えっと・・・何ですか?」


「実は、うちの領の村に魔物が出現したらしく、ギルドに冒険者を派遣してもらうつもりだったのですが、ハルカさんも冒険者です。ギルドへの連絡は私達がしますので、ぜひ、魔物討伐の依頼を受けて頂けないか、と。」


「俺で良ければ、やらせて頂きます。」


「そうですか!ありがとうございます。では、細かい事は村の方で我々の村長から。」


 応接室にいたもう一人の人は、魔物の出現を知らせに来た村人だったらしい。今から村に来て欲しいと言うので一応テイルにも話しに行ったら、テイルもルイルも付いていく!と言ってきた。アイリスさんは俺に二人の守護も追加で依頼してきた。さて、村に向けて出発だ。



――――――――――――――――――



 村は屋敷からすぐの所だった。意外と大きな村だが、文明を感じさせるような場所では無い。地球でもよく見た、一般的な異世界の村のイメージだ。


 俺達は村の中にある村長の家に連れて行かれた。中に入ると村長と思われる老人が座っていた。


「これはこれは冒険者の方、来て頂いてありがとうございます。テイルお嬢様とルイルお嬢様まで、どうなされましたか?」


「私は冒険者ですので、仕事です。」


「ルイは見学させてもらう為に来たです。少しは戦えるです!」


「それで、問題の魔物は?」


「はい、その事なのですが、ここ2日程、村の畑が荒らされたり、家畜が居なくなったりしていたのです。原因は魔物だとは思っていましたが、何の魔物かが分かりませんでした故、そのままでした。しかし、今日の朝の事です。」


「私は家畜に朝ご飯を与えるために干し草を持って柵の方へ向かいました。すると、家畜の柵の中に緑色の魔物がいたのです。そいつが、家畜を殺して持っていきました・・・私は怖くて、何も、できませんでした・・・」


 そう言ったのは屋敷に来た人だ。


「我々は魔物に対しての知識がありませんが、緑色で二足歩行、畑を荒らしたり家畜を盗んだりする魔物は、一つしか思い当たりません。」


「・・・ゴブリンね。」


 急にテイルが呟いた。確かに俺もそんな感じだろうと思っていた。スライムが居るのだから、ゴブリンが居てもおかしくないだろう。


「今日の朝見たのは、何匹ぐらいです?」


「私が見たのは2匹だけでした。」


「それじゃ群れの大きさが分からないです・・・ハル兄が突っ込むしかないです。」


―――は?俺が突っ込むって言った?相手の強さも分からないのに?・・・なんだか俺への扱いがテイルに似てきた気がする。


「そうね、ハルカが突っ込むのが安全ね。」


―――俺は安全じゃないんだが?


「そうだテイル。俺と一緒に行かないか?パーティーだろ?」


「え゛っ!?嫌よ!数の分からないゴブリンの巣穴に入るなんて!」


「俺は良いのかよ!?」


「ハル兄なら大丈夫です。」


「じゃあルイル、一緒に行こう。」


「ひぇっ!?ルイも嫌です!」


 その後色々言い合って、3人で入る事になった。ただ、別れるよりは3人で居た方が、アイリスさんからのテイルとルイルを護るという依頼を達成しやすいうえに、戦闘力も増す。



――――――――――――――――――



 村から家畜が放たれている柵の奥の森に入り、ゴブリンの巣穴を見つける。ゴブリンは洞窟を巣穴とし、その魔物離れした頭脳で社会を構築する。群れは10匹程度のものから200匹を超える大群が発見された事もあるらしい。

 森の中には、村への通路として使っていると思われる、植物の少ない道があった。いわゆる獣道のような物だ。


 その道を俺、ルイル、テイルの順に一列になって進んでいると、俺の魔力探知(ディテクション)に反応があった。前方に強大な魔力を感じ取った。強大と言っても、小さいものが重なり合っている、と思う。

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