46.伸縮自在
アドバイスありがとうございました!
今後もよろしくお願い致します。
―――ハルカ――――――
たす
――――――ュ王国で・・・
けて
おか・・んとお父・んに―――――――――
―――待ってる!
――――――――――――――――――
―――ぱちっ
またテイルが夢に出てきたな。近づいてきたからか、今までより少し多く聴こえた。テイルがご両親に連れて行かれたのは疑いようが無い。ただ、何故か、と聞かれると分からない。とにかく行ってみれば分かることだ。
おっと、横になっていた足下にスライフが居た。魔力が弱いからか、探知しにくいんだよなぁ・・・スライフと言っても結構危険な魔物だ。あと10分ぐらい気づかずに寝ていたら、俺はこの世に居なかっただろう。さっさと剣で核を突き刺して、ジェル状の体を回収して、グルシュ王国に向かおう。
さて、今の時間は・・・15時か。あっちに向かって進めばいい訳だ。この砂地にも慣れてきたし、走れるかもしれない。ちょっと走ってみるか――――――うん、結構イケる。体力を考えつつマラソンの感じで走ってみよう。
すっ、すっ、はっ、はっ、すっ、すっ、はっ、はっ、
長時間走るときはこの呼吸法だ。鼻から吸って口から吐く。走るリズムが取れるうえに、人間は鼻から吸うのが一番やりやすいんだとか。
荷物は全て無限収納の中なので、俺は手ぶらで走る事ができる。とても楽だ。
ふぅ、喉が渇いてきた。走り出す前に水筒の中身を満タンにしておいて正解だったな。水筒を取り出して、蓋を開けr・・
―――っ!
俺はとっさに横に跳ぶ。俺がいた所には、地面から生えてきた巨大な謎の柱がある。いや、柱では無い。地中から魔物がその正体を表した。俺の3倍、いや、4倍ぐらいあるサソリだ。俺は危なく巨大サソリの尻尾の攻撃を喰らうところだったという事だ。
―――キシキシキシキシキシキシ!
それにしても見た目が地球のサソリそのものだ。ベムの場合、ヘビに似ていると言っても尻尾が矢印型で赤色になっていたり、牙が大量に生えていたりした。グレイバスは・・・まあ性質まで地球のタコだったけど、タイラメだったら!・・・いや、ヒラメそのものだったか。―――何だかこの砂漠には地球の生物に似た奴が多いな。というか、それどころじゃない。
―――キシキシキシキシキシキシ!
サソリは尻尾を天敵に向けて牽制するが、こいつの場合、完全に攻撃体制だ。
―――キシィャッ!
尻尾が伸びて襲いかかる。
「防御壁!」
パリン
こいつも駄目か!防御壁より強い防御魔法を覚える必要がありそうだな。一応横に避けておいて正解だった。それにしても、尻尾が伸びるのは想定外だ。
―――キシィャッ!
また来た!真っ直ぐ突きにくるので、少し横に避けて・・・そのまま突っ込む!―――首を上から思いっきr・・!!
すかぁっ!
危なかった。尻尾がさらに伸びてUターンして来た。尻尾の先はカニの様なはさみになっていて、掴もうとしてくる。よく見ると、はさみの内側が反しの様になっているので、1回挟まれたら外れないだろう。
相手が伸びてくる分、剣では不利だ。俺は後ろに跳んで距離を置き、剣先をサソリの中心、心臓があるであろう場所に向ける。この剣は魔法適性があるので、こういう事ができるのだ。
「塊炎!」
―――ごぉぉぉおお・・・
よし!決まった。炎獄が完璧に当たった。火柱の中心部分でサソリが焼けているだろう。
炎が消え、無限収納に入れようとして近付いていく。
―――!・・ぐっ・・・
とっさに剣で防いだが、凄い力とスピードで剣が弾かれた。何とか攻撃は躱せたが、あれだけ高威力の炎に焼かれて生きているとは。いや、傷一つ付いていない、か。グレイバスと同じように魔法耐性でもあるのだろうか。
―――キシキシキシキシキシキシ!
今度は向こうが間合いを詰めてきた。サソリは意外と足が速いものだ。突進されるだけでも脅威になる。
「くそっ・・・超攻撃!返り討ちにしてやる!」
───今だ!剣を下から上に振り上げる!
すかっ
「え・・・」
サソリの足が伸びて、足だけが動いている様に見える。胴体は横に避けられた。そのままぐるんっと俺の後ろに回り込んだ胴体に、俺はあっけなく吹き飛ばされた。
どさっ
「ぐ・・・っは、はっ、くぅ・・・背中痛いな───っ!」
俺は倒れたまま地面を転がって、尻尾の追撃をギリギリで避ける。───痛かったが、HPはそんなに削られてはいない。削られてはいないと言っても、ダメージ量は見過ごせないものがある。
どうやって攻略するか・・・近づくときに尻尾は厄介だしな。地球の奴みたいに毒針が付いているだけならまだ良いのだが、こいつははさみが付いていて挟んでくるのだ。
───ひとつ作戦を思いついた。やってみよう!
「射氷!」
まずは貫氷でサソリの周りを囲む。直ぐに破壊されると思うが、一瞬視界を遮る事と、無駄な動きによる隙ができればこっちのものだ。俺は急いでサソリの後ろに回り込む。
───キキキキ!
ばりん・ばりばり・・がりんっ!
氷は尻尾で一瞬のうちに全て破壊された。だが、それで良い。一気に間合いを詰める。
「超攻撃!」
少し跳びながら上から斜めに剣を入れて、体全体を切り裂く。死角からの奇襲、成功だ。
───きぃィイSSkぃ・・・
サソリの体は真っ二つに割れ、息絶える。ふぅ、凄い戦いだった。
魔物討伐数
F スライム:192 スライフ:23
E クルモ:84 シイタル:82 ツノネズミ:61 カルプイル:65 べム:16 タイラメ:5
D パウパティ:5 チェイス:8 レッサーグレイバス:1
C イゼンポッド:13 グレイバス:1 スカラピア:1
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