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42.夢のたより

誤字報告ありがとうございました。

今後もよろしくお願いします。

「教えてくれて感謝致しまする。・・・なになに?n僕の名前を知りたいだって?しょうがないね。n僕はピエール。覚えておくと良いさ、良いことがあるだろうねぇっ!」


 一体何なんだコイツ。明らかに変人だという事は分かるが、こんなんで社会を生きていけるのだろうか。どうでもいいや、関わり合いたくない。

―――まぁ、その後は特に話しかけられることも無く時間が過ぎて行った。


 途中ピエールが担当しているうちの1匹が暴れだしたせいで周りの3、4匹も同時に暴れだしたが、ギルドの職員さんの素早い動きでそれ以上被害が出ることも無く収まった。



 ヤミの綺麗な真っ黒の毛に魅入って、昨日の馬車、というかホーセ車というか、のホーセも綺麗だったなぁとか思っていたら、ヨコヅナの干し草がどんどん減っているのに気付かず危なかったり、ブラザーを走らせに行くときに懐かれているせいで俺も走る羽目になったりとした。



―――魔銅板には42時、と示されている。そろそろ上がろうかな?そういえば今考えてみると、魔銅板って日本語で表示されているよな!?渡された時から馴染んじゃってるけど日本語だよな!?数字だよな!?・・・でもこっちの世界の人に見せる時は普通に対応されてるって事は、見る人が理解できる表示方法になるって事か。魔銅板も凄いし、この仕組み作った人も凄いな。

いや、今そんなことはどっちでも良い。


「すいません、そろそろ上がりたいんですけど・・・」


「はい、構いませんよ。受付に行けば時間分の報酬が受け取れます。お手伝いありがとうございました。」


 俺は最後に担当していた皆の所を回って撫でていくことにした。短い間だったけど楽しかったな。



――――――――――――――――――



「───今回の報酬の16000シェルです。」


「ありがとうございます。あの、アルバルト支部長って今いますか?」


「アルバルトですか?勿論です。」


「じゃあ呼んでもらっていいですか?ハルカ・タチバナと言えば分かると思います。」


「承知しました。」



───おっ、来たな。その顔を驚きに染めてあげよう。


「タチバナ君、今度はどうしたんだね?」


「7つの依頼を達成したので、俺とテイルをDランクに上げてください。約束でしたよね?」


「7つ?いやいやまさか、終わるわけ無かろう?───この冒険者の依頼履歴を4日間分見せてくれ。」


「はい、ただいま。」


 どうしても信用していないアルバルトさんは、受付の人に俺の履歴を確認させた。最初は余裕ぶっていたのに、履歴を見た瞬間に見る見る青褪めていった。受付の人も驚いているようだった。


「ほ、本当に7つも達成したのか・・・この4日間で・・・・・・しょうがない、約束だ。ここに、ハルカ・タチバナとテイル・ロンドの冒険者ランクをDに昇格させる事を支部長権限により決定する。」


 魔銅板を確認すると、なんということでしょう、もう表示が変わっている。本当にどうなっているんだか、この魔道具は。


 まぁこれで無事Dランクに上がれた。これからはDランクの依頼も受けられる。



 俺は風呂に入ってから夕飯を食べる派なので、まず大浴場に行く。そういえば、この世界にも湯船文化がある。炎系統の魔法で温度は一定に保たれていて、シャワーの様なものもある。


 夕飯はギルドの食事処で良いや。俺も料理が出来ない訳じゃないが、問題はそこじゃない。キッチンの使い方が分からないのだ。火事にでもなったら大変だ。


 寝間着に着換えて、と。それじゃ、おやすみなさい。



――――――――――――――――――






───カ・・・



──────ハルカ!






がばっ

 気のせいか?テイルの声が聞こえた気がしたけど・・・眠い・・・







───ハルカ・・・助けて・・・




───────────シ・・ばく───砂漠!







がばっ!

 俺には聞こえたぞ!テイルの声がした。・・・でもまだ帰ってきてないよなぁ・・・夢で聞こえただけか。







──────助けて・・・シィ砂漠に・・・








 俺の体は勝手に動いた。布団から跳び起きて目を覚ます為に水を一杯飲む。時刻は2時。深夜だ。寝間着から普段の服に着替えてギルドの受付に急ぐ。受け付けが24時間開いていて助かった。


 シィ砂漠・・・どこかで聞いたことあると思ったらあそこだ。ここからスレム大森林を通って行ける街、フェルミの北東にある砂漠の名前だ。どこで聞いたかって?リリーやソフィアさんと一緒に行った護衛依頼の依頼主、ムーディさんとアイリスさん、ロンド(・・・)夫妻だ。


「何か御用ですか?こんな時間に・・」


「一つだけ早急に教えてくれ!フェルミにもギルドはあるか!?」


「フ、フェルミですか?大きな街にはどの国でもあると思いますよ。ギルドは国ごとに纏めていますが、国同士でも世界規模で繋がっていますので、冒険者カードはどこでも使えますよ。」


「分かった!ありがとう!」


 俺は直ぐにギルドを飛び出してスレム大森林を目指して東に向かって走り出した。さっきの夢は夢であって夢じゃない!魂の繋がりを使ったテイルからのSOSだ。目指すはシィ砂漠、そしてグルシュ王国。きっとそこにテイルは居る!

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