35.簡単
文章が思いつかない・・・難しい・・・
「じゃあ、二人とはここでお別れだな。また何処かで会おう。」
もう大丈夫だろうと思い、俺はリリーを下ろす。・・・ちょっと寂しそうな顔をしたのは気のせいだよな?
「えっ?ハルカ、それどういう事なの?」
「どうせ帰る方は同じなんだから一緒に帰ればいいじゃない。」
「いや、俺はここでもう一個依頼を受けているから。」
「・・・もう一個!?一日に二つも受けるの!?」
まあそういう反応だろうな。普通冒険者は一日一つしか依頼を受けずにそれ以外の時間はゆっくりしているものらしいしな。特に魔法職は一回の依頼でMPをほとんど消費するので尚更だ。今の時間は32時ちょっと前だから、帰りに走れば5時間で帰れると思うから、5時間ぐらいは依頼に使えるな。
「ハルカ、私たちもその依頼、付いて行っていいかな?ソフィアも良い?」
───え?
「いや、私は構わないけどハルカ君は邪魔じゃない?」
どうしようか・・・でも俺一人だと知識面で少し不安が残る、か。帰るのに使う時間は増えるかもしれないけど、まあ付いてきたいって言うんだったら別に良いか。
「別に良いぞ。でも見ているだけにしてくれ。・・・あと知識をくれないか?」
「勿論!ありがとうハルカ!」
さて、二つ目の依頼は食魔蔦の採取、だったな。
「なあ食魔蔦って知ってるか?」
「ちょっと待って!ハルカ君、食魔蔦を採りに行くの!?」
「その、ハルカに食魔蔦は難しいと思うよ・・・」
「どういうことだ?」
「食魔蔦は相手の魔力量に応じて強化されるのよ。だから低ランクの冒険者しか受けにくいの。」
なるほど、それで受付の人は推してきたのか。じゃあ俺とかソフィアさんとか行くと駄目やん。詰むやん。
「いや、でも俺行かないといけないし・・・」
「じゃあ私は行かない方が良いわね。・・・ハルカ君、リリーの事お願いできる?」
「え、ソフィア行かないの?」
「だって私が行くと邪魔でしょ?ハルカ君とリリーで行ってくると良いわ。私は先に帰ってるから。」
「分かりました。じゃあ、リリー借ります。」
「はいはい~じゃあリリー、また明日ね。」
本当に帰っちゃった・・・まあいいか。
「じゃあリリー、行こうぜ。」
「・・・うん!」
食魔蔦は周りの魔力を吸い込むらしいので、魔力が高いのを探せば良いと教えてもらった。魔力探知を発動してみてみると・・・あれか。魔力の高い部分があるな。
「あった。あっちだな。」
これか、太い木に絡まって広く高く伸びている。・・・なんだか魔力が無くなっていく感覚か?どこか調子がおかしいような気がする。試しに何か魔法を使ってみよう。
「灯光!」
一応点いた。けど、光が弱いな。灯光でこれなら殲滅魔法は撃てないだろう。・・・撃たないけど。
で、依頼の内容が採取、だったっけ。普通に切り取ればいいんだよな。
「ハルカ、斬れる?」
「多分───斬れない・・・」
これはおかしい。思った以上に斬れない。
「超攻撃!───おりゃっ!」
がきぃん
固っ!手までじーんって来た。鉄を叩いてるみたいな感覚だ。まあ俺のMPって高レベルの魔法職並みにあるからな・・・これ今までで一番厄介な相手じゃないか?
「ハルカ、これ使ってみて。」
そういってリリーが渡してきたのは、リリーが使ってる刀だ。
「借りていいのか?」
「うん。その刀はちゃんと当てれば岩だって綺麗に斬れるの。」
なんだよそれ。エグすぎるな。まあ壊さないようにお借りしましょう。日本刀って木刀と使い方同じで良いのかな?
昔の感覚を呼び起こして・・・目の前に相手がいる。相手の胴はガラ空き!今だ!
「胴ぉ!」
スパッ
お、おぉぉ!!これ凄え!まさかこんなに綺麗に斬れるとは思わなかった。まるで紙を切るみたいになんの抵抗もなく斬れた。・・・採取ってどれくらいすれば良いのかわからないけど、とりあえずこの一塊を持って帰ろう。反対側も切り落として、と。
「ありがとうリリー!この刀すっごい切れ味良いな!俺も欲しいぐらいだ。」
「いや・・・まさか使えるとは思わなかったわ・・・この刀は【武者】と【影武者】専用で、それ以外の職業には重くなるからAPが高くないと使え無い筈なのに・・・」
「う〜ん、確かに少し重い気はしたけど、俺AP高いし。」
「そ、そうよね。アハ、アハハハ。」
まあとりあえず依頼達成だ。なんだか簡単すぎたな。無限収納にしまって、と。よし、帰ろう。
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