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34.お姫様

ここって書かなくてもいいですかね・・・

「ムーディさん、アイリスさん、もう出てきても大丈夫ですよ。」


「そうですか?―――よいしょ、何があったんですか?」


「強い魔物が襲ってきたんです。」


「ハルカ君が倒したんですよ!・・・それと、リリーが・・・」


「リリーさん!?だっ、大丈夫ですか!?」


 リリーは今俺が抱いている。いわゆるお姫様抱っこと言うやつだ。いや、勘違いしないで欲しいのだが、最初はおんぶにしようと思っていたのだけど、おんぶは乗る側が多少力を入れないと難しいのだ。だから仕方なくこういった格好になっているだけだ。


「私が治癒魔法を掛けたので大丈夫です。ですが、戦闘には参加できなくなってしまいました。申し訳ありません。」


「いえいえ、私達はリリーさんが無事ならそれで良いんですよ。さて、では出発しましょう。」







──────助けて








 ん?今何か聞こえた気がしたけど・・・気のせいかな。



 歩いている時は、少し離れていたし、フードを被りながら俯き加減だったのでリリーの顔は見えなかったが、今は俺がお姫様抱っこしているのでよく分かる。で、まず言いたいのが、可愛い。テイルも可愛いが、リリーの方が俺の好みだ。そもそもテイルは金髪で欧米風の可愛さもしくは美しさだ。

それに対してリリーは日本風の可愛さだ。ちなみに髪は茶色に一本の淡い水色のメッシュ・・・染めてるな。明るめの色合いだ。髪型はセミショート?だ。というか、この世界にも染髪料あるんだな。

───ちなみにだがソフィアさんは優しい紫のロングだ。


 リリーは俺より10cmぐらい背が小さくて、だいぶ軽い。両手で抱いてはいるが、片手で支えて片手で戦えと言われたら魔法ぐらいは発動できる。そういえばソフィアさんはMPは大丈夫だろうか。


「ハルカ君、さっきの話だけど・・・」


───やべ、忘れてた。


「その話は、リリーが起きてからして?」


 よし、それならまだ時間がある!さぁ何を話すかさっさと考えよu・・・

「ん、ん~・・・ん、あれ?私・・・」


「あ、リリー!起きた?」


「ソフィア・・・・・そうだ!パウパティ!」


「大丈夫よ。それより、今の自分の状況を気にした方が良いんじゃない~?」


「───!~~///!ハルカ!おっ、下ろして!」


「いや、でもまだ傷が塞がったばっかりだから歩かせちゃ駄目ってソフィアさんが・・・」


「そうよ~あんな怪我を負ったんだから、ゆっくりしなきゃ駄目よ~」


「とっ、とりあえず下ろしてぇぇぇ////」



 結局ソフィアさんが下ろさせなかった。俺の腕の中で暴れてたけど軽いから問題なかった。いや、俺も恥ずかしいけどさ、リリーの事考えたら下ろしちゃ不味いし、ね?


「よし、じゃあリリーも起きた事だし、ハルカ君?」


「・・・はい。」


「何の事?ハルカがどうしたの?」


 もうリリーは俺の腕の中で安定している。意外と順応性が高いな。


「いや、リリーが負けた後にパウパティを倒したのはハルカ君なのよ。私の魔法が効くわけ無いでしょ?」


「え?でも、え?ハルカが倒した?」


「それだけならこんな事にはならないわよ。問題は、ハルカ君がパウパティの防御壁(プロティーガ)を壊した事よ。」


「・・・もう一回言って?」


「ハルカ君がパウパティの防御壁(プロティーガ)を壊した事よ。」


「・・・もう一回言って?」


「ハルカ君がパウパティの防御壁(プロティーガ)を壊した事よ。」


「・・・もう一回言って?


「ハルカ君が・・

「もう良いよ!何回そのやり取りするんだよ!」


 それでリリーが納得するまで何度も説明する事になった。いや、信じられないのは分かるけどさ?


「で、その説明をどうするの?ハルカ君。」


「・・・今から起きる事はソフィアさんとリリーを信じても良い冒険者の仲間、という俺の考えから決めた答えだから、口外は禁止。約束してくれるか?」


「「ええ。」」


「ありがとう。信じられないかもしれないし、信じなくてもいい。この魔銅板を見てくれれば全ては解決だ。」


 俺は魔銅板を見せるに留めることにした。テイルには異世界から来たって話をしたけど、さすがにこの二人には話せない。魔銅板を見せて、それだけのステータスがあったからできた、ステータスが高いのは何故かはわからない、という事にしておこうと思う。


 二人は俺の渡した魔銅板に釘付けになっていた。何故か?と聞かれたけど、決めていた通り誤魔化した。まぁ納得はしてなさそうだったが、俺の事は信頼してくれていそうだ。


「訳が分からないわ・・・」


「俺もだ。」


「・・・そうね。」



「皆さん、出口が見えましたよ。」


 俺達は俯いて歩いていたが、アイリスさんの一言で前を見ると、森の出口が見えた。もうこの依頼も終わりだ。

───眩しい。


 森を出るとそこから少し離れたところに街が見えた。


「今回の依頼内容はここまでです。皆さん、お疲れさまでした。ありがとうございました。」


「私たちはここからそこの『フェルミ』から『シィ砂漠』を通って『グルシュ王国』まで行きますので、遠くなりすぎます。今日は、本当にありがとうございました。」


 うん、色々知らない地名が出てきたな。地名に関しては明日帰って来るテイルに聞こう。









──────助けt・・









ロンドさん夫婦を乗せた馬車は、街に向かって走って行った。

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