30.三日目
前書きのネタ切れ(元々ろくな事言ってない)
俺達はいつの間にか15までレベルが上がっていて超攻撃を手に入れた。テイルは遠距離引力が離距離引力に変化していた。
そうそう、カルプイルの討伐数は65匹で、新鮮なものは全体が食用として売れるので全部売れた。この世界は魔法で時を止めた空間を作る事が出来るらしいので、基本食料の保管はそういった空間で行われる。魔法を持続するために魔法に応じた魔法陣が描かれ、販売され、広く普及しているらしい。ただ魔法陣作成は一部の天才と呼ばれる者にしかできない超高等技術であり、魔法陣が判明している魔法の種類も少ない。
依頼達成と素材売却で13000+9500=22500シェルの収入だった。時間も遅かったし濡れていたので、風呂に入りに行き、食事処でぱっぱと夜ごはんを食べ、明日に備えて早く寝ることにした。
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───パチッ
今日は早く目が覚めたな。いつもはテイルに叩き起こされるけど、自分のタイミングで起きるのは気持ちが良い。・・・意識もはっきりしてきたし、さて、起き上がるか。
テイルはまだ起きてないのか?リビングに行ってみて・・・いない。トイレにいる気配もない。先に朝ご飯食べてるか、と思って携帯食を口に放り込み、水を飲むためにキッチンに向かうと・・・
「ん?なんだこれ?書置き?」
ハルカへ
急用が入ったので今日は一緒に依頼が受けられません。ごめんね!明日までには帰ります。依頼、二つ終わらせといてね!文字の勉強も頑張って!
まじかこれ。俺がひらがなとこっちの文字をペアにした表を作ったとはいえ、ひらがなで書いてくるとは・・・テイル、恐るべし!というか俺、テイルが居ないと文字が読めないから大変なことになるんだけど・・・ていうか今何時だ?───20時。寝すぎたぁぁぁ!!この世界、目ざまし時計とかないんだよなぁ・・・じゃなくて!早くしないと!
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「すいません、Eランクの依頼をお願いします。」
「はい、では魔銅板を───Eランクはこちらになります。」
───うん。全く読めない。
「・・・あの、」
「はい?」
「文字が読めないので、簡単そうなやつ二つ選んでもらって良いですか?場所が近い二つでお願いします。」
「読めない?」
「あー、遠い所から来たんです。文字は今勉強中で。」
「そうですか、では・・・こちらの二つはどうでしょう?」
内容:東の森通過時の護衛、場所:東の森、依頼主:アイリス・ロンド、報酬:20000シェル
内容:食魔蔦の採取、場所:東の森東側、依頼主:ギルド、報酬:5600シェル
「じゃあそれでお願いします。」
「お一人ですか?」
「はい。」
「護衛の依頼は24時から出発するらしいので、装備を整えてギルドに集合していただく形になります。他の冒険者の方との共同となります。」
「分かりました。」
さて、じゃあ昼まで暇だな。・・・そうだ、結局寝巻を買いに行って無かったな。どうせ暇だし行くか。
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あったかそうな厚手の紺色の寝巻を買ってきた俺は、部屋でゆっくりしながら時間を待っていた。
「さて、そろそろ時間か。」
部屋から出てギルドのロビーに向かう。そういえば他の冒険者ってどれくらい居て、どんな人たちなんだろうか。ギルドは東の森をスライムやクルモだけの安全な森だっていう認識をしていると思うけど、案外そうでもない。パウパティなんて森に入れば一度は絶対会うしな。・・・さすがに森の奥地は危ないので外側を迂回していくとは思うけど、そこは依頼主によるしな。
あの集まりかな?2人の冒険者と、明らかに身分の高そうな人が2人いるな。貴族とかかな?知らないけど。
「あの、アイリスさんの護衛の依頼の集まりってここで合ってますか?」
「ん?あなたも依頼を受けているの?」
「そうです。ハルカって言います。」
あなたも、という事はここで合っていそうだ。俺と同じぐらいの女の子と、今俺が話している女性は少し上だろうか。
「よろしくね、ハルカ君。私はソフィア。こっちは私とパーティーを組んでいるリリーよ。」
「あ、えと、その、よ、よろしくお願いします・・・」
「ちょっと人見知りなところがあってね。まあ、優しく接してあげて?」
「はい、よろしくお願いします。ソフィアさん。リリーさん。」
俺は成人したてだから敬語は必須だ。リリーっていう子は同じぐらいにも見えるけど、とりあえず『さん』付けで良いだろう。そういえば依頼主の人にも挨拶しておいた方が良いだろう・・・と思ってたら向こうから来た。
「あなたも護衛をしていただく冒険者の方?」
「はい、今回護衛を務めさせて頂く、ハルカ・タチバナと申します。」
「ご丁寧にどうも。では、よろしくお願いしますね。今回の護衛は3人と聞いておりますので、細かいお話をさせていただきます。ソフィアさん、リリーさん、こちらに。」
「今回皆様にしていただくのは、私、アイリス・ロンドと、夫のムーディ・ロンドが乗る馬車、荷物の護衛です。東の森は基本安全ですが、私たちには戦う術が無いので頼ませていただきました。東の森の南寄りを迂回するルートでゆっくりと進んでいきたいと思っています。私たちから離れなければ、道中のスライムなどの討伐はご自由になさって結構です。」
「私も、挨拶を。ムーディ・ロンドです。途中で何かありましたら、遠慮無く。では、よろしくお願いします。」
二人とも優しそうな穏やかそうな人たちで安心した。それにしても豪華そうな服を着ているな。この依頼、失敗するようなことは無いだろうけど、ちょっと緊張してきたな。
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