2.俺、職業を手に入れる
こんにちは。YOPPYです。なかなか題名に入り込めません……
早め早めの更新を目指します!
さて、武器屋の人に教えてもらい、俺も成人になって職業を得るべく教会に行くことに決めたわけだが―――教会ってどこにあるんだ?
さっき聞いとくべきだったな。誰かに聞くしかないか。
そんな時、ふと道の奥を見てみたら・・・思いっきりありました。教会。街の構造は分からないけど、教会が街から重要な扱いを受けている事は感じられる。見えたら向かう!直ぐにでも!
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教会の中は広く、適度な気温に保たれている。これは、科学技術なのか、それとも魔法的な何かか。魔法がある世界だったら、俺も魔法使えるかな?
そんなことを思いながら教会を見回していると、祭壇に向かっている人が二人いた。一人はおじいさんで、もう一人、跪いている女性がいる。
おじいさんが何やらブツブツと言っている。ここからでは聞き取れないが、これ近付いて大丈夫なやつだろうか?
明らかに儀式的な雰囲気があったために、俺は近づくのを躊躇っていたが、その心配はいらなかったみたいだ。なぜなら―――
「はい。これで成人の儀は終わりです。お疲れ様でした。」
「ありがとうございました!」
どうやら俺の狙っていた成人になるための儀式の様だ。つまりあの娘は俺と同じ17歳ということか。
「【職業】は、どうなりましたかな。」
「どうやって分かるんですか?」
「感じるのですよ。」
「分かりました。―――えっと、【傀儡師】?」
ふむ、あの娘も【職業】を手に入れたみたいだな。感じるって、感じるものなのか・・・。
「ほぉ、【傀儡師】ですか。【特別職】でありながら、戦闘も可能な、良い【職業】ですなぁ。」
「あの、すいません。割り込んで悪いんですけど、俺も成人になれますか?」
「おや、あなたも、成人の儀を行いますかな?」
「あなたも、17歳?私は今終わったわ。なんだか、あまり実感は無いのだけれどね。」
「えっと、【傀儡師】、だっけ?っていう【職業】になったの?」
「ええ、そうよ。」
「じゃあ、俺もお願いします。」
「勿論ですとも。そこに、跪いて、『私は17歳です。』と、心の中で念じ続けていてください。」
よし、これで俺も【職業】を手に入れられる!これ、去年とかにこの世界に来ていたら、あてが無くて早々に死んでいたかもしれないな。良かった〜17歳になってからで。
俺は祭壇に向かって跪いて、念じ始めようと思ったが、一つ気になる事がある。
「君、行かないの?」
「私は、あなたの儀式を待って、獲得した【職業】を聞いてみたいわ。だから待ってる。」
「では、始めますよ。」
俺が念じ始めると、後ろからお経の様な、無機質な声が聞こえてきた。呪文のような感じなのだろうか。
―――どれぐらい経っただろう。5分か、あるいは1時間か。終わりましたよ、と言われて顔をあげる。
「【職業】は、どうなりましたかな。」
「どう?何を感じる?」
いやそんな感覚的な事を言われても、と思ったが、本当に何か感じる。まるで、自分の心が語りかけて来ているかのような。
「う〜ん・・・【旅人】。」
「【旅人】?その、なんというか―――」
「なに、落ち込むことはないです。剣術から魔法まで、幅広く扱える【職業】ですよ。御気になさらず、自信を持って。」
なんですかその反応は。あれですか?最弱職ですか?戦っても負けるタイプの職業なんですか?やめてください。強くないと死にますよ。本当に。
―――いや、でも、魔法が使える!?それは大きい。嬉しいぞ。それは本当に嬉しい。
「あー、ちなみになんだが、この【職業】は弱いのか?」
「「弱い。」」
はーい、キッパリ言われましたー。これ終わったわ、第二の人生終わったわ。
「そ、そんなに落ち込まなくても大丈夫だよ!冒険者になるでしょ?ほら、一緒にギルドに登録しに行こう?私も、冒険者になるつもりだから!ね?」
冒険者用ギルドがあるのか。なら俺もそこに登録して、最低限の賃金で小さく生きていくことにしよう・・・。
俺は、とにかく、とにかく落ち込みながら、ギルドに向かうことにした。
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