194.八柱
文字数400,000突破らしいです。いやー、結構書きましたね。
ここまで書き続けられたのも、皆さんが読んでくれるという励みがあるからです!ありがとうございます!
今後もよろしくお願いします。
「行くぞ柱!」
「だから、柱って呼ぶ・・
ざしゅっ
言い終わる前に胴体に一本、入れさせてもらった。1対1なんてもう、Aランク魔物で戦い、Sランクで戦闘ぐらいの感覚になってきているのだから、人間相手だと何も辛くない。移動速度などの身体能力もレベルアップによって変化するのだから、ステータスの伸び率が異常な俺はその他身体能力の伸びも異常。人の域を越した。・・・まぁ獣人とか勇者は別として。
「ぐっ・・・この装備を貫通してくるのか!」
いやいや、やろうと思えば真っ二つにできましたから。殺しちゃまずいから。
「次は俺の番だ!」
「そんなものは無ぇよ。」
戦闘に順番などあってたまるか。速い方が一方的に攻撃するだけだ。右足首に突きを入れる。
「ぐぅっ・・・!?」
痛みと、付与しておいた麻痺効果のおかげで、立ち上がれていない。
ガキュガキュン!
寝た状態から2発、撃ってきた。が、
「重力操作!」
放たれた銃弾を含めた空間の重力をできる限り強くする。
カランカラン
「おい・・・嘘だろ?何なんだよお前!」
銃弾は威力を殺されて虚しく床へ落ちていった。
男が焦りだした。そりゃそうだ。八柱とかいう役職に就いているのだから、腕には自身があったのだろう。というか、強くないはずがない。しかしそれも、相手が普通の人間の場合だけだが。
「さあ、もういいか?」
男の額に剣先を向ける。
「やめ、っやめてくれぇ。」
大の大人が、ブラッドベムの八柱ともあろう奴が、情けない姿だな。まあ殺すことは絶対にないので、そんなぐちゃぐちゃの顔で懇願する必要も無いのだが・・・。というかこんなに呆気なく終わっていいのか?これ。
剣を消すように仕舞い、少し力を抜きながら男の頭を横から殴る。今ので良い感じに気絶してくれると嬉しいんだけどな。
他の戦闘も、一部苦戦していたところもあったが早く終わった人が加勢に行くことで、軽症者が数人出ただけだ。さすが、強いな。
「流石ハルカさん!八柱をこんな短時間で倒してしまうなんて、アルバートさんの言う通り、強いですね。」
「いや、そんな。皆さんも無事に終わったみたいですね。」
「はい。いやー、恐らくこっちの奴らも地位が高いと思うので、いい情報源になりそうです。」
情報源って、なかなか適格だけど少し嫌な言い方でもあるな。まあ相手がブラッドベムだから仕方ないか。
それより、何故地位が高いとか分かるのだろうか?
「ん?あぁ、何故位が高いって分かったのか、ですか?」
心を読まれたか!?いや、普通は生まれる疑問か。
「あいつらの武器がルナベチウム加工されていたからですよ。」
「ルナ、なんですか?」
「ルナベチウム加工。ルナベチウムという金属の粒子を吹き付けて、強度を上げる加工です。魔法耐性もあります。あの黒いやつですよ。しかし残念なことに、今この世界で最も進んだルナベチウム加工技術を持っているのは、あいつらなんです。」
ほうほう。つまり、服の強度を上げて防御力を高めたり、剣を鋭くしたり、そういった加工技術がブラッドベムのなかで発展しているということか。あいつらそんな頭良かったのか?いや、科学班みたいな人員が居るのだろう。
ブラッドベムの暗殺班の全身真っ黒な恰好、あれもルナベチウム加工されたものなのだろう。前に俺とテイルとニックが6人相手に重症になったのも、不思議と攻撃が通らないのと、俺達の防御を貫通するだけの攻撃力があったことが原因だった。こういうタネがあったわけか。
「勿論、研究は進めているのですが、ブラッドベムのもつ技術とは大きな、大きな差があるんです。しかもルナベチウムの産出場所はほとんどがブラッドベムに抑えられており、まず入手すること自体が困難な状況なのです。」
「なるほど・・・それは大変ですね。」
見た目からわかる、地位と強さの示準はこうなっているらしい。一般組員<服が加工されている偵察員<武器が加工されている戦闘員<全身の服が加工されている暗殺班<なんか強そうなのが八柱<???
八柱の上にもボス的な何かがいるだろうという推測は立てられているものの、確認は取れていないらしい。
「あいつらは最近細かな加工まで行えるようになってきて、例えばさっきハルカさんが足に受けてしまった銃弾なんかも、細かくギザギザを付けて人の体を抉るように・・・じゃないですよ!そういえばハルカさん足怪我しているじゃないですか!」
「あぁ、そういえばそうでしたね。」
「あとの調査はBMMの方でやりますので、早く病院かギルドにでも行ってください!」
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