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193.拳銃

昨日の投稿分です・・・

昨日書ききれませんでしたすいません。

 2階の廊下は入り組んでおり、ところどころに回転扉や罠、他にも様々な仕掛けがある。前を走っていた組員も見失ってしまい、なかなか進めないでいた。


 魔力探知(ディテクション)を使っても入り組んだ通路のせいで形が掴めず、壁を一掃することはできるのだが情報が取れなくなってしまう為、壊すことができない。



 十数分かかってようやく迷宮の終着点、階段と反対側の角に辿り着いた。この階には部屋はなく、最後の最後に下に降りる階段が現れただけだ。


「下りますか。」


「えぇ。気を付けてくださいね。」


 俺が先頭で階段を降りていく。家の上から下まで丸く穴を開けて螺旋階段をひいたような感じだ。階段は急で、横はずっと壁、照明もない穴をただひたすらに降りていった。


「なんか、深くないですか?」


「明らかに1階は通り越していますね。」


「つまり地下ですか?」


「そうですね。」


 こいつら地下に何か作るの好き過ぎるだろ。


 下の方から明かりが見え始め、俺の右足が地下室の天井を越した瞬間、俺の足を銃弾が撃ち抜いた。


「痛っ・・・!」


 痛い?俺のDPがあって?

 左足だけで転げ落ちるようにして残りの階段を下り、床に倒れ込む。


「ハルカさん!」


 俺の姿が唯一視界に入っていたKが叫んだ。が、すぐには駆け寄ってこない。そういうところはちゃんと馴れているな。もしすぐに駆け寄って来れば同じ目に合うのだから、こういうところで止まれるかどうかが経験の差だ。


「誰だ・・・!」


 右足を押さえながら顔を上げる。そこには、周りに組員を10人程侍らせて両手に小銃を持った男が立っていた。

 男はスキンヘッドで、顔の左半分ほとんどに刺青が入っている。そして服装は、ギルドの拘留所や王城に潜入してきた奴らと同じ、上下真っ黒のあれだ。


「なんだ、一発でくたばったのか?」


 俺に銃口が向けられる。


ガキュン!

加重(セピア)!」


「あぁ?なんだ?」


 銃弾を当たるギリギリでなんとか止めることができた。


 魔力銃は買ったことがあったけど、この世界、普通の銃もあるのか。俺にダメージを入れるなんて、これは殺傷能力が高過ぎませんかね。


蔓振(スイナイビー)!」


 俺は起き上がれないが、蔓には関係ない。地面についた右手から蔓が伸び、二丁拳銃の男を捕らえ・・


ガキュガキュン!ガキュン!

がちゃっ

ガガガガガガ!


なかった。途中で銃を変えながら、向かってくる蔓を全て撃ち抜いて止めてしまった。


 いやいや、剣と魔法の世界に早撃ちガンマンが居て良いのかよ・・・


「そこにいる奴ら、お前らBMMとかいうやつだろう?いいか?俺は、俺こそが、ブラッドベムの八柱はちばしらと呼ばれるうちの一人だ!」


 八柱?幹部みたいなものか?というかBMMの存在ってブラッドベム側にも伝わっているのか。


「お前ら、そんなところにずっといないで、出て来いよ。こっちにも人数は居るんだ。せっかく待ってたんだからよ、楽しもうぜぇ?」


 待ってた、か。まさか捉えた組員がここの場所を吐き、BMMがここに来るのを待っていたという事か?相手は明らかに戦闘態勢、というか迎撃態勢。逃げるという選択肢を取られる前にやるしかなさそうだな。


「全員、戦闘態勢に入ってください!」


「えぇ。やるしかなさそうですね。」


「ハルカさんは後ろに。」


「いえ、大丈夫です。戦えます。」


「でも、その足じゃ・・・」


「大丈夫です。」


 なんとか左足重心で立ち上がり、無限収納(スナフ)から剣を取り出して構える。こちらは一度攻撃すれば勝ち、相手の攻撃手段も分かっている。さすがに銃弾を避けるのは難しいが、そこは・・・どうにかするしかない。


 軽装備2人とその護衛一人を階段中に残したまま、俺含めた8人が組員たちと向かい合う。こちらは8人、あちらは9人うち1人八柱。


「おい柱!」


「柱って呼ぶな。」


「お前の相手は俺がやる!」


 右足を負傷しているとはいえ、この中で俺が一番戦闘力が高いだろう。


「うらぁぁぁ!」


 次の瞬間、周りに侍っていた組員のうちの一人が俺に襲い掛かってきた。手には剣を持っている。


がきぃん!

   ぱぎっ・・


 剣を合わせて攻撃を防ぐ。と、相手の剣が折れた。ついでに腕も痛めたらしい。確かに変な場所で無理矢理当たった感じがあったから、俺と組員のAP差が組員の腕に痛みをうんだのだ。ちなみに俺の剣は折れても自己修復してくれるので問題ない。


「よいしょっと。」


 剣が折れて動きが止まったところを、後ろに居たメンバーが素早く拘束して階段のメンバーまで持って行く。そしてブラッドベムの組員も誰も止めない。捕まった組員が情報を吐く前に殺しに来る気か、それともここでBMMと俺を皆殺しにするから大丈夫だという事だろうか。


 するとここで、どちらからという事でもなく、全員が示し合わせたように一人ずつ向かい合った。野球の試合前の挨拶のように。俺の前には柱が笑っている。


塊炎(ファイアボール)!」


 BMMの一人が天井に向かって魔法を放ったのを皮切りに、1vs1×8の戦闘が始まった。

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