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191.拠点へ

文がなかなか思いつきません・・・


ピピピピピっ、ピピピピピっ、ピピピピ

『ハルカ?』


「連絡はできるのか。」


『ええ。そうみたいね。』


 部屋に戻ってきた俺に、テイルから着信がきた。


「なんか屋敷街に入れなくなってるんだけど、次会えるのいつぐらいになりそう?」


全領会議(コンフィーシャ)が終わるまでは誰も入れないようにするって、騎士団から説明があったわ。明日は会議を中止して、明後日から再開するって。だから、次会えるのは3日後の夜かしらね。』


 やっぱり終わるまで入れないのか・・・。まあ通話の腕輪の通信が遮断されていないだけマシか。


「そういえばさ、テイル。」


『何?』


「俺、明日ブラッドベムの拠点攻めることになった。」


『そう。頑張ってね。じゃあおやすみ。』


「あぁ。おやすみ。」


 普通に考えればぶっとんだ会話だが、俺達にしたらそうでもない。

 明日も18時に集合と言われたので早めに寝る。



――――――――――――――――――



「ふぁ〜あ・・・18時か。18時かよ!?」


 長く寝すぎた。昨日コウの手伝いで予想以上に魔力を消費しすぎたかもしれない。

 とりあえず朝ご飯として携帯食を口に放り込み、急いでロビーに向かう。


「支部長!遅れてすいません!」


「おぉ、ハルカさん。いえいえ、時間丁度ですよ。」


 支部長の周りにはギルドの治安部隊、まあ警官と思われる人たちが15人いる。

 うち12人が重装備で、3人が軽装備だ。


「こちらが、今回の作戦班です。グルシュ支部が誇るエリートたちです。ハルカさんにはこの中に混じっていただきつつ、指示をお願いしたいのです。」


 軽装備の3人は、スカウトだろうか。スカウトとは様々な情報や証拠を見つけ出す、捜査員のようなものだ。


「あ、えと、ハルカといいます。皆さん、今日はよろしくお願いします。」


「「「よろしくお願いします。」」」


「拠点までは、私が先導します。」


 重装備のうちの一人が前に出てきた。


 さっそくギルドを出て、目的地へ向かう。何故今回拠点の一つが分かったのか聞くと、バルタ山脈のダンジョンに施された工作のメンテナンスに定期的に組員が来ており、そこを捕らえ、今回行く拠点の場所を吐かせたらしい。


 前に俺とテイルが見つけた拠点は地下だったが、今回は建物らしい。


 ギルドのブラッドベム対策メンバー、通称BMM。20人いて、何人かで編成を組み、年に何個か特定されるブラッドベムの拠点に攻め入っているらしい。


 ハルカさんも、BMMにどうですか?なんて言われた。いやいや俺は普通の冒険者ですから。ん?普通じゃないって?気のせいだろ。


「ここですね。」


 王都の中心から離れていき、一般の住宅街が並ぶはずれ。少し治安が悪そうな通りに建つ建物の前で立ち止まった。

 2階建ての一軒家だが、木で作られた壁はボロボロ、外装もはげ、人がいるような気配はない。


「では、突入しましょう。中がどうなっているのか、私たちもわかりません。この場所を吐かせた組員を捕まえたのは数日前ですが、その情報が回っていればここには組員は既にいないでしょう。しかし、いる可能性も十分にあります。」


「そうですね。俺が先頭で大丈夫でしょうか?」


「あ、すいません。私も前の方に行きます。」


 そういって前の方に出てきたのは軽装備の女性だ。


「隠し通路や罠などは私が見つけますので。しかし、私は戦闘面では役に立たないので・・・」


「分かりました。攻撃は俺が防ぎます。」


「よろしくお願いします。」


 他の人たちも準備は良さそうだ。


 横の女性がドアノブを数秒観察し、オッケーが出たので丸いドアノブに手を掛ける。ゆっくりと回し、一気に開ける。罠を警戒していたが、大丈夫そうだ。

 開けると同時に、全員が一斉に中に入った。一糸乱れぬ無駄のない動き。音を立てずに全方向に武器を向ける素早さ。突入と同時に叫ぼうかと考えていた自分が場違いな気がしてきた。


 しかし目の前にあったのは壁。


「なんだこれ・・・?」


 扉からほとんど距離が無く、人ひとりが入れる程度のスペースを置いて隅から隅まで鉄の壁になっている。明らかに怪しいが、どうすればいいのだろうか。


「ちょっといいですか。」


 軽装備の女性、呼び方長いな。軽装備の軽をとってKとしよう。Kが隙間の奥の方、ドアから離れた暗い方へと入っていった。


「分かりました。開きますよ。」


 え?開く?そう思ったが、次の瞬間鉄の壁に緑色の魔法陣が浮かび上がり、ガコン!という音ともに壁が落ちていった。


「今ので、というかこの建物に入った時点で相手にはバレているでしょう。急ぎますよ!」


 鉄の壁の奥にもう一枚壁。そしてそこには木のドア。ドアを蹴り破りながら中に入ると、ちょうど組員が部屋の奥のドアから逃げ始めていた。

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