18.この世界の文字
また内容が薄い回になってしまった気がする・・・
さて、集めた角を俺のスキル無限収納で別空間に置いたので二人とも手ぶらになったわけだけど、どうしよう。今俺達の周りには大量の角ネズミが待機しているだろう。この氷を壊したら少なくともテイルは一瞬で串刺しにされる。俺達は空を飛べないし、ここで炎獄を放ったらテイルを巻き込むことになる。
「テイル、ここからどうやって脱出する?」
「ハルカが全部倒したら?」
「いやそれが無理だから聞いてるんだよ!」
「んー、じゃあ、私が射氷を撃って、とりあえず上に出た後どっかの木まで移動する、とか?」
───その手があったか!・・・それなら行けるかもしれないな。
「よし、その作戦でいこう。あと、森の入り口はあっちだから、できればこの方角に飛んでくれ。」
「分かったわ。いくよ・・・射氷!遠距離引力!」
テイルが飛んで行った。それにしても凄い力だな。次のターゲットは俺と木だ。
「遠距離引力!」
───おおぉ空に引っ張られる!でそのままテイルが向かった方向まで引き寄せられる。地面には角ネズミが大量にいますね。この作戦じゃなかったら死んでたかも知れないな。
「着地!ナイスだテイル!」
「よし、じゃあ森を出ましょう。早くしないとこっちまで来ちゃうから。」
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さてと、ギルドまで戻ってきた。明日も早いし、報酬受け取って寝るとしよう。
「ご用件は?」
「報酬の受け取りに来ました。角ネズミの討伐です。」
二回目ともなると流れが早い。内容を言って、魔銅板を提出、確認が終わる。
「はい、62匹、群れ6つ分ですので、21000シェルです。」
「ありがとうございます。」
「角ネズミの角420kgか。8400シェルだな。」
「どうも。」
今回の報酬は29400シェル。つまり今日一日で61000シェル、割っても30500シェルも手に入ったわけだ。まあ、普通の冒険者は一日かけて依頼を一個達成するので、だいたいこの半分しか手に入らないらしいが。
部屋に戻って一休憩、夜ごはんも食べ終わった。いやー、そういえばテイルって料理上手いんだよな。
「さ、テイル、もう寝よう。明日も早いんだし・・・」
「いいえ、これからお勉強よ?」
───は?
「今からハルカのお勉強を開始します。」
「いや待て待て待て。もう41時だぞ?明日も早いんだから・・・」
「ハルカは文字が読めないでしょ?少しずつでも覚えていかなきゃ!」
いやそうだけどさ?今じゃなくても良くないか?今日依頼を二つも達成してだいぶ疲れてるんだけど。・・・と思ったらテイルがどこかに行った。───戻ってきた、ってなんだあれ!?大量に本持ってきた!
「さあ、勉強よ。姿勢を正して!」
うっわマジか。俺が人生で嫌いなものトップ3に入るもの、それが勉強だ。学校でも授業はろくに聞かず、テストは下から何番目、家でもぐーたらしていた俺に、勉強をさせるだと?テイルさん、少しどうにかなりませんかね?
「じゃあ説明していくわね。まず大前提として、文字は音を表すわ。文字の組み合わせで、言葉になるの。」
それ、あれだな。書くのだるいけど覚えやすい奴だ。
そこからはさんざんだった。ただただ覚えていくだけなので、特にテイルに教えられることも無く、俺が辞めようとすると流輝鞭で叩いてくるし・・・特に心のダメージが大きかった。
ただ、テイルの指導?のおかげで、『あ』と『は』は書けるようになった。この二つは形が難しいうえに似ているという理由で、一番覚えにくいらしい。
さすがにもう寝ようという事で、お風呂に入ってきて、寝室に向かう。その時、ふと思い出した。昼間のニックとの模擬戦の時に発動した俺の力について。
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