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183.一人の朝食

毎日書くのって大変ですね。(毎日は書いてない)

 俺とテイルは非迫害を公言している家へ。ムーディさんとアイリスさんは護衛の騎士を2人ずつ付けて未公言家へと向かうことにした。

 迫害思想公言家に関しては、論争を無駄に激化させる要因になりそうなので話しかけない事に決めた。


 俺達が家々をまわって協力を持ちかけている間に、グリルさんが明日からテイルが会議に出るための手続きをやってくれた。どうやら途中参加も可能なようだ。


 俺とテイルが向かった6家は、最初は成人したての若者二人が何をしに来たのかと不審がられたりもしたが、テイルの名前と協力してほしいという内容を伝えると、快く作戦に乗ってくれた。


 ムーディさんとアイリスさんの勢いは凄まじく、俺達が6つまわった時間で1人14、2人で28全ての未公言家へと話をしに行った。

 公言していないだけで、迫害風潮は好かないという家も結構多かったらしいが、その反対も同様に多かったという。


 最終的にどうなるか、迫害勢力がどのような反応をしてくるかは会議になってみないと分からない。夜遅くまで、今までの亜人に関する事件や他国の亜人に関する情報など、集めて纏めて会議に備えていた。


 俺は11時には騎士に屋敷を追い出され、ギルドに借りている部屋に戻ったが、テイルはそのまま屋敷にとどまった。

 寝る前にテイルと通話の腕輪で連絡を取り合い、次に会うのは明日の会議後になるという事を確認し合った。



──────────────────



 次の日の朝、俺は一人で起き、一人で朝ご飯を食べ、特に何もできずに部屋に引きこもりながらソワソワしていた。テイルは大丈夫だろうか?うまく進むだろうか?


―――


――――――


「お父さん、お母さん、これで良いかな?」


 クルンと回って、昨日買ったドレスを見せる。落ち着いた水色の、フリルが付いたもの。


「良いんじゃないか?綺麗だぞ、テイル。」


「あなたが全領会議(コンフィーシャ)に出るなんて、少し変な感じね。」


 お母さんはあんなこと言ってるけど、確かに去年まではお姉ちゃんが出てたのよね・・・なんだか急に緊張してきたわ。私がルイルと一緒に家でいるとき、お姉ちゃんはこんな緊張を味わっていたのかしら?


 ふと思い出したけど、私とルイルにとってこの数日間は、強いて言うなら多少スミにはいろいろ言われたけど、誰にも咎められずに思う存分魔法の練習ができる最高の一時だったわね。


「それじゃあテイル、行きましょうか。」


「ええ。」


 屋敷から王城までは歩いて数分なのだけれど、王城の敷地内に入ってからだだっ広い庭園やら何やらがあるから、屋敷からホーセ車で送ってくれるのよね。これは前にお姉ちゃんから聞いたことよ。

 私も小さい時に一度だけ王城に行ったことがあるらしいけれど、昔のこと過ぎて覚えていないの。


 屋敷の扉を開けると、冒険者が乗ることはまずない、そもそも貴族階級以上の人しか乗ることは無いような、無駄に豪華なホーセ車が泊まっていたわ。

 座席のクッションもありえないくらい深くまで沈み込んで、中に飲み物も用意されていて、いつまでも王城に着かなければいいとも思ったわ。でも、今は着かなければいけない。会議に出席しなければいけないわ。会議に出れないハルカの分も、私が頑張らないと。


 10分ぐらいかけて城内に着き、会議をする部屋へと歩いて向かうの。他の家の人たちも、次々に到着してきてるわね。

 城をとにかく全てが大きくて、つい色々見まわしながら歩いたわ。成人の議を終えた後に、初めてギルドの建物に入った時と似た興奮ね。


 会議をする部屋は正方形で、これもとにかく広いの。でも、その部屋の2/3ぐらいを埋めるような大きな円卓が中央にあって、その周りに椅子が並んでいるわ。


 それぞれ座る場所は決まっていて、お父さんに連れられてロンド家の位置に座ったの。私が急に参加することになって、わざわざ椅子を一脚多くしてくれたみたい。ありがたいわね。


 既に座っている人もいれば、後から来る人たちも沢山いるの。私達は比較的早い方だったかしら。


 十数分待っていると、席を繋げて3つ空けて、他の全ての椅子に貴族達が座ったわ。そろそろ始まりそうね。


 場の雰囲気が張り詰めてきた時、最後の3人が入ってきたわ。グルシュ王国の王、ギール王と、その息子であり王子のジョン、そして騎士団長。これで会議に出席する人全員。100人近くいるかもしれないわね。



 ギール王が席の近くに来た時、全員が一斉に立ち上がる。これは先にお父さんに言われていたから、なんとか合わせられたわ。


「ではこれより、全領会議(コンフィーシャ)第三日目を開始する。」


 その言葉に合わせて礼をする。そして、座る。さあいよいよ会議の始まりね。

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