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182.作戦開始

旅行したいなー・・・でもそうすると書く時間取れないしな・・・

 支部長によると全領会議(コンフィーシャ)は36時に解散になるらしい。つまりムーディさん達と会えるのは6時間後ということだ。


 時間があるといっても、ただ無駄に過ごすだけではもったいない。その間、俺達は別々でいろいろと準備を進めていた。


 俺は店を回って使える魔道具がないか探したり、王城近くの形や警備状況を確認した。あと、支部長に少し貢いだ。


 一方テイルは、高級商店街でドレスを買ったらしい。何やってんだあいつ。と思ったが、よくよくテイルの考えを聞いてみたところ、


『私も明日から全領会議(コンフィーシャ)に参加するわ。成人したから出られるのよ。そのための衣装よ。』


 途中参加なんてできるのだろうか?少し心配だが、テイルも会議の場に出てくれるのは心強い。変な発言をしないか少し心配だが。


 35時にギルドで落ち合い、さてロンド家の所に行こうかとしていると、ロビーで支部長に呼び止められた。今日会うの何回目だよという突っ込みを胸に秘めつつ、立ち止まる。


「ハルカさん!テイルさん!ちょっと待ってください!」


「どうかしましたか?」


「あなた達に伝えなければいけない事を伝え忘れていました。アルバートから聞いていませんか?」


 アルバート?ナシヤット支部長?何かあったっけ?


「ほら、ダンジョンの・・・」


「あぁ!そういえば!」


 グルシュに来た目的を完全に忘れていた。ダンジョンの異常の理由が分かったからこっちに行ってくれとナシヤットで言われたんだった。リーアの事が衝撃的過ぎて頭から離れていた。


「ですが、今はそれどころじゃないですね。」


「そうですね。この問題が収束してからで良いですか?」


「勿論です。リーアさんも、戦力ですからね。」


 ん?戦力?少し引っ掛かったが、今はそれどころではない。そろそろ36時。今日の全領会議(コンフィーシャ)が終わってムーディさん達が帰宅してくる。事の説明は早い方がどれだけも良い。動ける時間もその分増えるからな。



──────────────────



 支部長に貰った地図を頼りにロンド家の泊っている屋敷へと向かう。さっき来た時よりも巡回している騎士が数倍になっている。テイル曰く、この騎士達は王のものだそうで、会議中の王城の警備が終わり、十分な数を残して貴族の屋敷周りの警備に来たのだという。まあ別に犯罪を犯しに来たわけではないので気にしなくていいのだが、少し落ち着かない。


 勿論それぞれの屋敷の警備も固く、重々しい雰囲気がある。門番が二人もいるので、威圧感があってなかなか話しかけられず、屋敷の前でうろうろしていると、


「おいお前ら。そこで何をしている。」


門番から話しかけてきた。


「あ、えと、中に入れてもらいたいんですけど・・・」


「それはできない。」


「私はロンド家の者です。テイル・ロンド。次女です。」


 そういってテイルは魔銅板を見せた。


「テイル、ロンド・・・確かにロンド家の次女の名前だ。一応確認する。」


 門番のうちの一人が屋敷の中に入っていった。次に出てきた時にはグリルさんと一緒だった。


「おお?これはこれはテイルお嬢様!ハルカ様まで、何故こちらに?」


「グリル、お父さんたちはいる?話があるの。」


「ええ。さぁ、どうぞ中へ。」


「そうね。」

「失礼します。」


 グリルさんの反応を見て門番たちも納得したようだった。グリルさんに続いて俺達も屋敷の中へ入る。


 屋敷はあくまで貸しもの。普段住んでいる屋敷と比べて見劣りするのは仕方ないのかもしれない。が、それでも十分な広さがある。


 俺達はリビング兼ダイニングの大部屋に通された。


「グリル、誰かお客様だったの?」


 アイリスさんの声だ。


「ええ。それもとびきり特別で驚きの。」


 その言葉に続いてグリルさんの後ろから顔を出す。


「お母さんやっほー。」

「お邪魔します。」


「テイル!ハルカさんも!どうしてここに?」


「話があるの。お父さんは?」


 そうテイルが行ったとほぼ同時、いつのまにか部屋を出ていたグリルさんがムーディさんを連れてきた。気の利く執事だ。怖いぐらいに。


「ハルカさんいらっしゃい。それでテイル、話って?」


「ちょっと待って、お姉ちゃんは?成人だから会議にも出られるでしょ?」


「ヘイルは家に置いてきた。スミが居るとはいえ、ルイル一人にするのは少し心配だったからな。」


 半年前まではテイルが家にいたからヘイルさんも出てきていたのだろう。テイルの予定より非迫害勢力が一人減ってしまったわけだが、他の多くの家を味方に付ければいいだけの話だ。

 俺達は早速、リーアが処刑になりそうなこと、今回の全領会議(コンフィーシャ)で亜人迫害を改めてもらいたい事、そのために他の家を味方に付けたいので手伝ってほしい事、テイルが明日から会議に参加したい事を伝えた。


「それは・・・大変なことになっているんだな。」


「私も、いつかは迫害思想の人たちに対して、一発言ってやりたいと思っていたの。今回こういう機会ができたのだから、やってみるのも悪くないわね。」


「でも、王の思想に反することになるじゃないですか?そこは大丈夫なんですか?」


「何を馬鹿な事を言ってるんだハルカさん!王の独裁を防ぐための全領会議(コンフィーシャ)ですよ!」


「そう、ですよね。よろしくお願いします!」


「それじゃあ早速、テイルが調べてくれた情報をもとにして、味方を集めましょう!」

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