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167.原因究明

体調管理、気を付けましょう!(己への戒め)

 全員結構変化が出たんじゃないだろうか。そもそもレベルが結構上がっているので、ステータスの上昇が目立つな。スキルとしては、攻撃強化(ハイパワー)攻撃特化(フルパワー)になり、倍率が1.45から1.6に。俺が稀強運(レアレティア)、ウェズが聖光(ホーライロ)、テイルは物体操作(マリオネット)傀儡操作(パペットマスター)となったのと落減速(ディクレース)、リーアが邪眼開眼を手に入れた。


「やっぱりあれだけの量の不死(アンデッド)を倒すと経験値も半端じゃないわね。」


「まぁ数が多ければ少ない経験値でもな。」


「え?ハルカ何言ってるの?不死(アンデッド)はほとんどBランク、強い奴でAランクよ?」


───え?


 衝撃のあまり声が出なかった。あれがB?種類によってはA・・・と。確かに、普通の冒険者、というか聖属性の魔力が扱えない人にとってはAランクと言っても過言ではないのかもしれない。


「それにしてもボク達って、世界中の冒険者パーティーで1番の不死(アンデッド)浄化パーティーじゃない?」


「・・・その可能性はあるわね。」


「いやそもそもここまで第二魔法の属性扱えるパーティーなんてないだろ。」


「そうだね。」「それもそうね。」


 そこに片付けを終えたイリーナが来た。


「昨日は本当にありがとうございました。でも・・・」


「これからもどんどん増えていく、か。」


「そんなの、私たちで原因を突き止めればいいのよね!」


「そんな!そこまでやらせる訳には・・・」


「いや、もともとそのつもりだったしな。そうでもしないと、終わらないだろ?これ。」


「それはそうだけど・・・」


「それじゃあ作戦会議ね!また夜になる前に、この騒動を終わらせましょう!」



 結論から言うと、会議は早く終わった。何に原因があるのか、と考えてみると、ざっくり二種類。墓地に何か起きた可能性と、南に何かある可能性。まぁその何かが何なのかの見当はつかないのだが。


 しかし墓地に何か起きたとすれば、イリーナの張っている異常検知魔法が感じ取るはずだ、との事。悪霊や不死(アンデッド)が増えるなら闇魔法かと思うが、俺が調べても闇属性の魔力は感じられなかった。


 では南で何か変化が起き、それに応じて発生する量が増えたという方向で考えていこうという事になった。


 悪霊や不死(アンデッド)は、攻撃してくるものの自我はない。よって、何か性質的に惹き寄せられる、もしくは何かの力で引き寄せられていると考えるのが良いだろう。しかしさすがにこれ以上は想像の領域に入ってしまうので、実際に南に行くことにした。


「皆、準備は良いわね?」


「おう!」「はいよ!」「うん!」 


「それじゃあ、出発よ!」


 テイルを先頭に家から出る。扉は閉めると透明化し、見えなくなった。超厳重警備のオートロックだな。


 南はバリ盆地の中心に向かって行く方向であり、平らな土地が広がっているだけだ。多少高低差はあるが、山はない。移動に体力を取られないのは大きいな。

 昨日の夜、不死(アンデッド)達が向かって行こうとしていた方向は完全に南ではなかったが、俺の方角確申(コンパノイド)でまったく同じ方角に向かうことができるので何も問題ない。


 イリーナの移動速度も普通の人と比べたらやはり速い。特に魔物などが居るわけでもないので、てきとうに雑談しながら歩いて行った。



 丁度バリ盆地の中心辺りに来た時俺達が見たものは・・・一本の巨大な木だ。


「これは、ここバリ盆地の御神木なの。だから、原因はこれじゃないと思うわ。」


「そうなの。それにしても、大きな木ね~・・・一番上まで見えないわ。」


「ボクでも見えないよ。」


「そもそも幹の太さが異常よね。最初一瞬、建物の壁かと思ったわ。」


 そんな事を話しながら御神木の前を通り過ぎようとする。


「ちょっと待って!」


「何?どうしたのハルカ?」


「この木から闇の魔力を感じる気がする。」


「気のせいじゃないかな?だって御神木だよ?」


 イリーナが反論してくる。確かにそうだろう。そうなのだろうけど・・・


「この木からっていうより、この木に何か闇属性のものが付いてる、みたいな?木自体からは全く悪い感じはしないんだけどさ・・・」


「なるほど。それならあり得るかもね。」


「上の方を確認したいけど・・・さすがに御神木に登るのはねぇ。」


 そう。それが問題なのだ。何かを横に作るにしても、高さが分からない以上難しい。テイルのスキルは距離制限があるしな・・・


───クワッ!


 その時、俺の中でウェズが鳴いた。そうか!ウェズに飛んで行ってもらえばいいのだ。


「あー、イリーナ?昨日の夜戦っている時に、鳥を見たか?」


「鳥?見てないけど・・・」


「なら、今から出てくる鳥のことは、口外禁止、特にギルドにはな。良いか?」


「出てくる?マジックでもするの?」


「いやそういう訳じゃないんだけど。出て来いウェズ!」


「クゥワァッ!」


 俺の呼びかけに応じて勢いよく飛び出してきた。そのまま少しぐるぐると俺達の頭上を飛んだあと、伸ばした俺の腕にとまった。


「よしウェズ、この木の上の方を見てきてくれ!」


 ウェズが飛んで行ったのを見送りながら、俺、テイル、リーアは示し合わせたように同時にスキルを発動した。


「「「視覚共有(ヴィジョルニア)!」」」

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