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157.くろいかみなり

書くために使える時間が少な過ぎて困っています。

誰か時間を分けてください。。。

 下っていく最中もリーアのお陰で魔物と出会う事は無かった。下りという事もあり、結構早くバルタ山脈を越しきれた。


「はぁ~!疲れた~!」

どさっ


 バリ盆地には低草が広がっていた。ここで横になったら気持ちいいだろうな、と思った瞬間、リーアが横になった。下っていた時間は上りの時より短いとはいえ、山頂からずっと歩きっぱなしだったのだ。威嚇もし続けてくれていたし、一番疲れているだろう。


「ん〜・・・はぁ〜!空気が美味しいわ!」


「リーア、大丈夫か?」


「うん。ちょっと休めば復活するよー。」


 完全に疲れ切った顔をしている。完全に回復するまで、無理させないでおこう。その時、ウェズが出てきた。


「おっ、ウェズ。どうだ、バリ盆地だぞ。」


「クァ。」


 俺は肩にとまっているウェズを撫でながら話しかける。別にバリ盆地だからどうとかいうことがあるわけではない。ただなんとなく、そう言ってみたかっただけだ。・・・なんかウェズ大きくなってないか?気のせいかな?

 撫で終えるとウェズは、ぱたた、と俺の肩から横になっているリーアの上に飛んでいった。


「クゥ・・・」

すりすり


 ウェズはそのまま、リーアの首と顔にわたって嘴をすり寄せた。


「ボクの事心配してくれてるの?アハハ、ありがとう。」


 そう言ってリーアは胸の上に乗っているウェズを撫でる。胸が無いので、ウェズが乗りやすそうで何よりだ。───こんな事言ったら殺されそうだな。


 肩に乗られている時もそうだが、ウェズはやたらと軽い。全く質量が無い訳ではないが、重さを感じないのだ。かといって、翼ではばたくことで空を飛んでいるので、空気を押している。つまり空気を押し、風に押されるだけの重さが必要なのだ。・・・いや、精霊に常識は通じないか。


「クゥ、クゥ!」

コツコツ


「ん?どうしたのウェズ?」


 ウェズがリーアの上着の一部をしきりにつつきだした。


「ここ・・・魔銅板?」


 そう、リーアが魔銅板を入れていた服の内ポケットの部分。そこをつついていたのだ。何か感じているのだろうか?


「ちょっと待ってね───よいしょ。魔銅板がどうかしたの?・・・おぉぉ、これかぁ。ハルカ、テイルも、これ見てよ。」



───

──────


獲得スキル:


月光の祝福

月光を浴びることが条件。任意のタイミングで身体能力を大幅に上げる。


月夜の再生

月光を浴びることが条件。自身及び他者の回復が可能。


月夜の破壊

月光を浴びることが条件。触れている非生物を破壊する。


月の支配者

1.威嚇:対象が月光に当たっていることが条件。自身より精神力が弱いものは、その差に比例した距離逃走する。自身より精神力が強いものは、その差に比例して身体能力が下がる。


魔力探知(ディテクション)

・・・・・・


──────


 これまたトリッキーなスキルが手に入ったな。『1.威嚇』ということは、いつか2とか3も獲得するのだろうか。最初は≪月光の祝福≫だけが能力からスキルに移った形だったけど、威嚇もスキル認定されたのか。・・・いや、さっきまでも狼の獣人の能力としての威嚇を使い、魔物を寄せ付けなかった。ただ、ツノネズミは向かってきたし、ボロビーの身体能力が落ちている感じも無かった。そもそも月が出ていない。つまり、対象が月光に当たっている時に『月の支配者1』を使えばスキルとしての効果が発揮され、それ以外の時は今まで通りの能力としての威嚇効果が得られるわけだ。


 リーアが新しくスキルを手に入れたんだから、俺にも何かないかな?と思い魔銅板を見てみる。すると、俺には変化が無いものの、魔銅板の表示には変化があった。



───

──────


ウェズバニル



光属性、雷属性、風属性


獲得スキル:


黒雷(ライターガ)

くろいかみなりをおとす。


──────


 ・・・なんだろう。格好いいのに、格好よさそうなのに、どこか漂う子ども感。いや、ウェズはまだまだ子どもだし、仕方ないだろう。うん。

 でも雷を落とせるのは強い。どれくらいの威力かは分からないが、当てられればそれこそツノネズミぐらい倒せるだろう。これでウェズも、索敵+癒し枠に戦力としての役割が追加されたわけだ。



「よし、それじゃあ出発しよう。」


「もういいのか?」


「うん。それに、あんまり同じ場所に居続けると魔物に襲われるかもしれないからね。山を下りきってから、威嚇は解除してたし。」


 そうだったのか。なら魔物が近寄ってこなかったのはラッキーだったという事だな。

 しかしラッキー以上に、小さくても大きな進歩があった。


「え!?リーア威嚇してなかったの!?まったく気が付かなかったわ。」


 最初にリーアの威嚇にビビりまくっていたテイルだったが、完全に慣れていたようだ。これで今後も大丈夫だろう。リーアの威嚇を耐えるには、精神力を強く持っておく必要があるが、精神力って何だろうか。・・・まぁ良く分からないことは考えても分からない。リーアも回復したみたいだし、先に進もう。

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