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147.疑問

ウィズバニル→ウェズバニル


と変更しました。

 まず、部屋の中だけでいえば人間4人と狼の獣人1人が居る中から、俺と同調(シンクロ)したことについては、

1.触れていたから

2.名前を付けたから

3.刷り込み

4.保有魔力量が多い

可能性としてはこれくらいだろうか。2番辺りが可能性としては高い気もするが、正しいことは分からない。ウェズにとっても、自発的なのか偶発的なのか・・・


 そして、()()()と表示されていることについてだ。精霊大図鑑なる本には、雷、風属性とだけ書かれていた。───そういえばテイルが『この本も、古い言い伝えや歴史書から、見た目や、属性を予想して書かれているだけなの。』と言っていたな。雷、風属性はあくまで予想で、実際は光属性を加えた3種類だったという事だろう。

 俺は専門家も研究者でもないので詳しいことは分からないが、ウェズは光と雷と風属性の性質を持つ魔力によって形作られているという事か。



「とりあえず、この精霊の主はハルカ君ってことで良いのかしら?」


「ハル兄、ついに精霊を従えるです・・・?」


「なんか・・・私ハルカが少し怖くなってきたわ・・・。」


 何故俺はテイルに引かれなければいけないのだろうか。そしてリーアは、ウェズが仲間になった嬉しさ半分、俺に懐いた悲しさ半分、といった顔をしている。


「そういえば、テイルとリーアは、何も感じなかったのか?俺の魂と繋がっているわけだけど・・・」


「いや、何も感じなかったわよ。」


「ボクも。」


 だとすると、俺だけと個別で繋がったわけか。


「ていうかハルカ。これから先ずっと、ウェズを連れて歩くの?私としては目立ちそうで嫌なんだけど・・・」


「あー、確かにな。」


 目立てばギルドから何か言われるかもしれない。それは避けたいところだ。


「なぁウェズ。どうにかできないか?」


「クァ。」


 コクン、と首を縦に振った。―――え!?まさか本当に言葉を理解しているのか?というか、理解しているのなら、そのどうにかする方法を知りたいのだが?


「ち、ちなみにどうするんだ?」


 するとウェズは、銀色の翼を一度広げ、それから丸まった。と思ったら、青白い光の球となって宙に浮いた。そしてその光は、俺の胸から体の中へと入っていった。


「・・・え?・・・え!?は!?」


「ウェズちゃんが、ハルカ君の中に入った・・・?」


「精霊は魔力だから、ハルカの中に入れたのかしら?」


 恐らくテイルの予想は合っているだろう。体の中にウェズの存在を感じ取れる。


「ウェズ、出てきてくれ。」


 俺が呼び掛けると、今度は青白い光が俺の体から出ていき、ウェズの形となった。そのまま俺の肩にとまったウェズは、どやっ、といった様子で俺の事を見てくる。


「こんな事ができるんだな。凄いぞウェズ。問題解決だ。」


 褒めながら頭を撫でてやると、嬉しそうに翼をパタパタさせた。───羽が顔に当たるので、できることなら肩にとまりながらは辞めてほしいのだが・・・


「ウェズの事は一応、俺達だけの秘密だ。みんな、良いな?特にリーア。」


「なっ!ボクだってそれぐらい分かってるよ!」


「よし。じゃあウェズ、中に入っててくれ。」


 ウェズが光の球となって俺の中へ入った。


「さてと、俺はちょっとムーディさんに用事があるから。」


 そう言ってヘイルさんの部屋をあとにする。


――――――――――――――――――


 俺はムーディさんの執務室の前へとやってきた。あの魔法辞典について色々と聞くためだ。


コンコン

「すいませんムーディさん。ハルカです。今、よろしいですか?」


『えぇ。良いですよ。』


がちゃ

「失礼します。」


 執務机に向かっているムーディさんは、少し眠そうだ。


「一つ、聞きたいことがありまして。」


「はい。何でも。」


「実は、魔法部屋にある本なんですけど・・・」


「ああ。あそこの本棚には魔法に関する本を並べました。」


「その中の一冊で、勝手に持ってきてしまったのですけど、この魔法辞典はどこで手に入れたものですか?」


 無限収納(スナフ)からあの古びた魔法辞典を取り出し、ムーディさんに渡す。


「この魔法辞典は・・・私が子どもの頃、この屋敷の物置から見つけたものですね。ただこの魔法辞典は普通のものと違って・・・」


「第二魔法が書いてある。そうですよね?」


「え、えーっと、第二魔法、とは?」


 あれ?通じてない?


「光属性とか、闇属性とか・・・」


「あ、そうですそうです。第二魔法、というのですか?」


「そうです。でも、何故載っているのですか?」


「いやぁ・・・私にも分かりませんね。子どもの頃は、光属性とか闇属性とか時属性とか、そんな属性がある訳無いとも思っていましたし。」


 物置で見つけたと言っていたし、知らなくても当たり前か。


「その、ムーディさん。難しいとは思うんですけど、もし良ければ、この魔法辞典を頂けたりは・・・」


「これを、ですか?ハルカさんにでしたら、構いませんよ。どうせこの家に置いてあっても、光属性などの第二魔法?は使えませんから。」


「本当ですか!ありがとうございます!」


 俺はムーディさんから魔法辞典を受け取り、再度無限収納(スナフ)に仕舞う。いい物を手に入れることができたな。

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