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143.月夜の破壊

短いけどとりあえず投稿!書けない!

「ルイル、狼の獣人については、どれぐらい知ってるんだ?」


「この国には亜人に関する情報がほとんど無いです。だから、そういう種族がいるという事ぐらいしか知らなかったです。」


「そうか、なら丁度いい。見て驚くなよ?」


「じゃあいくよー。」


 リーアの姿が月光の祝福を受けて変わった。


「こっ、これがリー姉の力です・・・!?凄く綺麗です・・・」


「これがね、綺麗なだけじゃないんだよ。今ボクの身体能力は普段の数十倍になってるの。」


「はえ〜・・・です。」


「よっ、と。」

どしゅっ!


 恐らく、軽く跳んだだけなのだろうが、リーアが屋敷の屋根辺りまで跳び上がった。その勢いで、風が来るほどだ。すたっ、と降りてきたリーアは、祝福を解除した。


「でもこれが、月を見ないと発動しないんだよね・・・」


「月、です?」


「そう。月がこの力を目覚めさせるトリガー。」


「リーア、あれやってみよう。破壊の方。まだやったこと無いしさ。」


「そうだね。・・・でも、何を?」


「あー、ちょっと待ってろ。粘土(ギリナ)想像創造(クリルティエイト)瞬間補強(レインフォース)!」


 リリー達とダンジョンに行った時、毒溜まりの上を歩くために使ったやり方だ。粘土(ギリナ)に関しては、この間魔力の動かし方を確認した。粘土を大量に出し、立方体にして、固める。1辺80cmほどの、少し大きめの立方体だ。


「ルイル、危ないかもしれないから、俺の後ろにいるんだぞ。」


「分かったです。ハル兄の後ろ程安全な場所は無いと思うです。」


 立方体から距離を取る。リーアが【神の告令(サリエル)】という職業になったことで手に入れた『月夜の破壊』。その威力や吹き飛ばし力がどれ程のものか分からないので、細心の注意を払いながら初使用だ。


「行くよ!月夜の破壊!」


どしゅっ!・・・ガッ・・ばぁん!


 リーアが触れながらスキルを発動すると、まず衝撃、一瞬のタメの後に粉々に砕け散った。その砕けた一つ一つの欠片は本当に小さく、弱い風で吹き飛んでいった。


「おぉー!ボクこのスキル好きかも!」


「これも、月が必要です?」


「そうなんだよねぇ・・・月が出ていない時間帯に使えないっていうのが難点だよねぇ・・・」


ピピピピピっ、ピピピピピっ、


「何だ?テイルからか。」


 通話の腕輪にテイルからの呼び出しが入った。


「どうした?」


『ハルカ!凄いことが分かったわよ!』


「何が?」


『持ってきた卵、あったじゃない?』


「あぁ。あの魔物の卵な。」


『それが違うのよ!全員お姉ちゃんの、ヘイルの部屋に来て!』


 それだけ言って切ってしまった。違うって、卵じゃないってことか?それとも、あの鳥の卵ではないという事か?とりあえず行ってみるか。


 玄関に向かおうとした時、上の方から声が聞こえた。


「おーい!皆!」


 2階のバルコニーにテイルが出てきていた。恐らくあそこがヘイルさんの部屋なのだろう。


「私が引き上げるわ!動かないでね!」


 余程早く来てほしいらしい。テイルの物体操作(マリオネット)で二回に分けて全員上まで引っ張られた。靴は無限収納(スナフ)で預かることにした。


「テイ姉、そんなに急ぐ事です?」


「急ぐ事よ!」


 バルコニーからヘイルさんの部屋に入る。


「お邪魔しまーす。」

「お、お邪魔します!」


「どうぞどうぞ。ほら、急いで。」


 ヘイルさんも少し興奮しているようだ。ヘイルさんがこんな風になるってことは、本当に何か凄いことがあったのだろうか。


「ちょっと、これを見て!」


 そう言ってテイルが見せてきたのは、イラストと説明文が載っている、図鑑のような本だ。開いているページには、あの銀翼の鳥が描かれている。


「なになに・・・雷、風属性。高い木の上に巣を作る。銀色の羽を持つが、その意味や、習性は分かっていない。・・・へぇ。」


「そう!私達大発見したのよ!」


「そうかもしれないが、この雷、風属性っていうのは何だ?」


「ん?それはね。」


ぱたん


 テイルの腕が本を閉じる。すると目に飛び込んできたのは、この本の表紙と、そのタイトルだ。


 

―――《精霊大図鑑》



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