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130.初の試み

昨日の投稿分です。遅れてしまい申し訳ありません。

「すいません、ダンジョンへ行きたいんですけど。」


「では、魔銅板の提示をお願いします。―――はい、三名での挑戦ですね。ランクは下に合わせることになりますので、Eランクとなります。こちらが、リストです。」


 そう言われて渡されたのは、依頼リストと見た目は全く変わらないものだ。ただ、書かれている内容は、ダンジョン名、場所、費用、達成難易度、達成目安時間、人数制限、取得可能アイテム、出現する魔物など、多岐にわたっている。


「ソフィアは依頼って言ったかもしれないけど、少し語弊があったわね。今日行くのは、ダンジョンなの。」


 ダンジョンとは、入り組んだ洞窟などをもとにギルドが経営している疑似探検施設である。そこに出現する魔物は野生のものだが、罠やギミックはギルドが設置。アイテムも置いており、ダンジョンに行く理由としては戦闘訓練とレアアイテムを見つけて手に入れることである。ただ、ギルドが経営していると言っても生死は挑戦者の責任だ。


「じゃあ、ここで。」


「分かりました。連絡を入れておきます。」


 ダンジョンに挑戦するにはギルドに申請してから行かなければいけない。罠などの起動と、ダンジョンの開門をギルドがする必要があるからだ。俺にとってダンジョンは、初の試みだ。どんなかんじなのか、ワクワクしてきた。


 ソフィアさんが選んできたダンジョンは、ここから南西、ゲイビル魔峡谷の南寄り、バルタ山脈のふもとにある洞窟だという。南の方は行ったことが無いな。ゲイビル魔峡谷までは二人のスピードに合わせても1時間ぐらいで着くし、日帰りのダンジョンを選んだのだろう。


「よし、出発しましょう。」


「はい!」

「ええ!」



――――――――――――――――――



 今回は人数や持ち物に制限が無いので、俺の無限収納(スナフ)に入っているものと、二人が持っている武器、回復薬(ポーション)、魔力用回復薬(ポーション)。全員分の携帯食と水を持ち込む。そして、今回の一番の狙いは視覚共有(ヴィジョルニア)というスキルを取得する事ができるアイテムだという。


 視覚共有(ヴィジョルニア)は経験値と変換して取得しようとすると結構痛い量を消費してしまうが、そのアイテムを使えば対価は0で済む。ちなみに、視覚共有(ヴィジョルニア)の効果は、魂の繋がりがある者と視覚を共有できる、といったものらしい。


 ダンジョンには21時過ぎに着いた。自然にあった洞窟に、人工物が取り付けられている。入り口には『Eランクダンジョン』と書かれた看板があり、門が開いていた。ここには職員はいないようだ。


「それじゃあ、ぱぱっと攻略して、帰りましょ。」


 ソフィアさんを先頭に、リリー、俺が続いて入る。勿論俺が先頭を行けば安全な事この上ないのだが、二人が自分たちの力を磨きたいから、と前を行っている。入り口は狭いものの、入った瞬間から広い空間が展開されていた。道のようにならず、ところどころに大きな岩がある。


「暗いわね。灯光(ライト)!」


―――っ!


 咄嗟に目を瞑り、暗視(ノクター)を解除してから目を開ける。暗い洞窟に入った瞬間に、無意識に暗視(ノクター)を発動していたのだ。危うく失明するところだった・・・


「なぁリリー。暗視(ノクター)は持ってないのか?」


「うん。スキルに回すより、レベルを上げたくてね。でも、魔力探知(ディテクション)は二人とも取得しているわ。最低限のところは取っておかないとね。」


 岩の陰にアイテムが無いか、壁にギミックが無いか、3人で手分けしながらくまなく探していく。


「あっ!」


 結構探し回り、何も無いんじゃないかと思い始めた時、リリーが声を上げた。


「ソフィア!ハルカ!隠し通路があったよ!」


「本当!?リリー、お手柄ね。」


 そこからは見ていない場所をざっと流し、急いでリリーが見つけたという隠し通路の元まで行く。しかしそこは、見た目だけではただの壁だ。しかし、この場にいる三人とも違和感を感じていた。そう、魔力探知(ディテクション)視点だと、この壁の奥に空間があるのだ。そして、その壁の下の方に、一部四角く切れ目の入った場所がある。まるでボタンのようだ。


「・・・押すよ。」


がこっ

ギギギギギギ・・・どんっ!


 ボタンを押し込むことでギミックが発動し、壁が扉のように開いていった。なにこれ楽しい。


「新しい通路ね。結構狭いけど、最初に決めていた順番でいいかしら?」


 ソフィアさんが確認を取ってくる。最初に決めた順番というのはすなわち、ソフィアさんが先頭を行くという事だ。リリーが見つけた隠し通路は一人通るのがやっとの狭いもので、罠などがあれば最も危険なのは先頭を行くソフィアさんという事になる。まぁ俺が否定できるものではないので、そのまま通路へと入っていくことにした。

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