表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/430

129.久し振り(?)

投稿時間バラバラで申し訳ないです・・・

「久し振りだね、ハルカ君。」


 振り返るとそこには、ソフィアさんがいた。リリーは一緒じゃないようだ。


「ソフィアさん、こんばんわ。でも、久し振りって程でもないと思うんですけど・・・」


「そう?いやー、なんか感覚がおかしくなっちゃってね。丸二日間もかかるとは思わなかったわ。」


 魔王軍幹部のレヴィアタンに取り憑かれていたリリーは、とりあえずは健康だということで解放されていたが、脳や神経、魂に異常が残っていないか、魔力を用いた精密検査を受けていたようだ。そしてそれが丸二日間続き、その間ソフィアさんも病院でリリーの傍にいたという。まぁその間俺は砂漠なわけだが。


「それでさ、本題なんだけど、明日って空いてる?」


「まぁ、暇だと思いますよ。」


「それじゃあ、依頼、手伝ってもらえないかしら?」


「依頼、ですか?別に大丈夫ですよ。」


「ありがとう!じゃあ、明日の20時、ここに集合ね。」


「あ、テイルはどうします?俺のパーティーメンバーの。」


「うーん、どっちでも良いわよ。空いてたら、来てくれると嬉しいわね。」


「分かりました。それじゃ、また明日。」


「えぇ、お願いね。」


 ソフィアさんはそのまま居住棟へと向かっていった。俺も部屋に戻ろうかと思ったが、どうせテイルのことだ。夕飯は食事処で食べるとか言うだろう、と思い、通話の腕輪を起動させた。


ピピピピピっ、ピピピピピっ、ピピッ


『何?ハルカ。』


「いや、夕飯どうするかなと思って。」


『あー、作るの面倒ねぇ。』


「食事処で済ますか?」


『そうね!そうしましょう!』


「じゃあ一階にいるから。」



 食事処は結構混み合っており、二人分の椅子を探すのに少し苦労した。テイルも合流し、唐揚げとサラダと白米・・・のようなものを注文し、食べ始める。


「テイル、さっきソフィアさんと会って、明日依頼を手伝って欲しいって言われたんだけど、テイルはどうだ?来るか?」


「私?私は明日、【三日月の儀式】があるから忙しいのよ。」


「【三日月の儀式】?なんだそれ。」


「あ、ハルカは知らないわね。三日月の儀式っていうのは、三日月の日に強まる神様の力を、教会で分け与えてもらう儀式よ。古い言い伝えで続けられている儀式だけど、信じない人は信じないわね。だから別に、強制参加って事でもないわ。」


 なるほど、宗教儀式のようなものか。そもそも日本は無宗教というか多宗教というか、よく分からない国だったからな。初詣にクリスマスに除夜の鐘。俺も神頼みしたり信じなかったり・・・。ということなので、まぁ俺はその儀式には行かなくていいか。


「そうか。とりあえず、俺は行ってくるから。」


「えぇ。」


「それと相談なんだけどさ、俺も自分用の部屋を借りた方が良いかな?」


 こっちの世界に来てから、今も、テイルの借りている部屋に同居させてもらっている、というか転がり込んでいる状態だ。


「私としては居続けてくれてもいいんだけど、もしハルカが別々で暮らしたいって言うならそれでもいいんじゃない?」


「いや別に一緒に暮らしてるのが嫌なわけじゃないぞ?感謝してるし。でもさ・・・」


 そう、一つのスペースに年頃の男女二人きりの同居、というのが何とも良くないのだ。

 冒険者として稼いだお金は二人の共通資産のようになっており、それで買い物したり、家賃も支払っている。ただそれを半分に分け、今後の稼ぎも分け、個人で資産運営を行う形に変更してもいい。心の距離が離れるようでなんとも言い表しにくい悲しさはあるが、トラブルも起きないだろうし、それぞれで貸し部屋を借り続けられるだけの額はあるのだ。


 しかし、今日のところは決断に至らなかった。というのも、俺が自分の部屋を別で借りると言った時のテイルの、怒ったような悲しいような表情が俺の決断までの道を絶ったのだ。


 夕飯を食べ終え、風呂に入り、少し早いが寝ることにした。


――――――――――――――――――


 次に日の朝は早めに起きたので、遅くまで寝ていたテイルの代わりに朝食を作った。この世界のキッチンにも慣れてきたので、そこさえ突破すれば俺はそれなりに料理ができる方なのだ。テイルを起こし、一緒に朝食を摂る。別々の部屋に住むことになったら、こういう事も無くなってしまうのか。確かにそれは少し悲しいな。


 18時を回ったところでテイルは教会に行くために出て行った。どうやら儀式は一日中やるらしい。俺は20時10分前に水筒に水を入れ、ロビーに降りる。勿論部屋の鍵は閉めた。


 ロビーには既にソフィアさんとリリーが居た。この配置、何だか最初に会った時を思い出すな。


「おっ、来たわね。」


「おはようございます。」


「おはよう、ハルカ。」


 リリーは健康そうだ。良かった良かった。


「テイルは三日月の儀式があるから来れないらしいです。」


「あー、三日月の儀式ね。本当は来てほしかったけれど、それなら仕方ないわね。」


「なんか、すいません。」


「じゃあ早く行こう?ほらっ、こっち!ソフィアも!」


ぐいっ


 リリーに腕を掴まれて受付まで引っ張られる。そういえば依頼の内容を聞いていなかったな。魔物の討伐なら楽でありがたいんだけど・・・

感想、誤字報告、ブクマ登録、高評価、お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ