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106.夜の会議

すいません!体調崩して寝込んでました!

まさか毎日投稿を切ってしまうとは・・・

今後もよろしくお願いします。

 ギルドに戻ると、ロビーにソフィアさんが居た。ソフィアさんだけが。


「ソフィアさん。リリーは、まだ帰ってこないですか?」


「えぇ。」


「昨日の夜、最後に会ったっていうのは何時ぐらいですか?」


「38時ぐらいね。何か、用があるからって言って部屋に帰って行ったの。」


 38時・・・丁度携帯食を買って、部屋に帰ってきた頃だ。確かにそれくらいの時間なら、俺がリリーの部屋に行ってもおかしくない時間だ。俺が忘れていなければ。


「何で部屋に居ないのかは分からないけど、兎に角、私はリリーが見つかるまでここに残るって、決めたから。」


「・・・考えたくないですけど、リリーが一人で先に避難したって可能性は?」


「無いわ。あの子は一人で馬車を借りられるような子じゃないもの。」


「そう、ですね。ですよね!」


 リリーが来たら教えてくれ、とソフィアさんに俺とテイルの部屋番号を伝え、俺は魔力銃の魔力補充の為に獣人の皆の元へと向かうのだった。



――――――――――――――――――



 夜になってもリリーは現れなかった。それでもソフィアさんは動かず、ギルドの職員や、俺もフェルミに逃げろと言ったのだが、ソフィアさんは絶対に待つと言って動かなかった。

 結局、魔王軍が来ている間はギルドの外に出ないという事で話が落ち着いた。


 37時、対魔王軍の為に集まった冒険者達がロビーに集められた。だいたい50人ぐらいの強そうな冒険者がロビーの椅子に座り、少し緊張した面持ちでアルバルトさんの方を見ている。


 そんな中、アルバルトさんが口を開いた。


「冒険者の皆さん!この度は魔王軍との戦の為に集まって頂き、ありがとうございます!一部を除き、Bランク以上の冒険者の方に、任意で集まって頂いたのですが、まさかこんなにもとは。皆さんの街への愛が伝わってきて、嬉しい限りです。」


 なんだ、その一部を除きってのはランク以外にも任意か否かも含まれるのか。まぁ任意と言われても来たのだが。


「魔王軍からの宣戦布告は、記録上全世界において5度目、この街には初めてとなります。そして、今までの戦績は・・・」


 そうだったのか。でも、今までに4回もあったならそれなりの対処法があるのではないか?


「1勝3敗、つまり3つもの都市が魔王軍によって滅ぼされているのです。」


―――はぁぁ!?どんだけ強いんだよ魔王軍!?


「皆さんの使命は幹部を倒し、この街を守り、自らの命も守ることです!」


 うぉぉぉぉ!といった雄叫びがあちこちから上がる。今の聞いてそんなに盛り上がれるかよ・・・


「今回の我々の切り札は二人!勇者ニコラスと、最強の旅人ハルカ!この二人がいれば勝利は間違いない!皆さん、張り切っていきましょう!」


 ここでもまた雄叫びがあがった。その中で、俺が旅人だと知り驚いている声や、少し不安になっている声が聞こえた。


 その後、全員に作戦が書かれた紙が配られた。そして、何故か俺、テイル、獣人、ニック、エスティラさんは前に呼ばれた。


 紙の内容はこうだ。

拠点はここギルド。

魔王軍の到着の合図と共にそちら側に全員移動。こちらの軍は4班に分けられる。門のすぐ側で軽傷者、ギルドで重症者を診る救護班。救護班と街を守る後衛班。後衛班を守り、遠距離攻撃を行い、時には前線に出て、時には前線から重症者を運んでくる補助班。そして、前衛班。


 事前にメンバーはギルドが把握しているようで、それぞれの班に名簿が付いていた。俺、リーア、イディアさん、ニック、エスティラさんは前衛。テイル、ミア、タム兄弟は補助班。ソフィアさんもギルド内専用の救護班になっていた。


「ここにいる10人は、私が呼ばせて頂いた強者達です。この方々をリーダーとして、個人で考えて行動して頂きたい。」


 俺達が前に並ぶと、勇者様ー!だとか、ハルカ様ー!だとか、獣人の子が可愛い!とか何か色々言われている。その後は解散となり、前に呼ばれた俺達だけがリーダー会議という名目で応接室に集められた。



 応接室で会議開始と同時に、まずニックが口を開いた。


「アルバルトさん、救護班に入ってる人が居ませんけど・・・」


「あぁ、救護班にはギルドの職員も含まれるから、大丈夫だ。そして、さっきも言った通り、それぞれの班全体の統括を、頼みたい。」


「私達が、ですか・・・」


 不安そうな声を漏らしたのはミアだ。確かに、この中でも最年少であり、他の冒険者はもっと年上の人もいる。不安にもなるだろう。そんなこと言ったら、俺だって不安だ。


「ミアは私と同じ補助班ね。そんなに心配しなくても、タムさん達がいるから大丈夫よ。」


 ・・・えっ!?いや、そこは私がいるから、とかじゃないのかよ。まさかのタム兄弟への押し付けが発動した。


「えー、それでですね、それぞれの班の動きを説明していきたいと思います。」


 そう言ってアルバルトさんが持ってきたのは、これまた一枚の紙だ。そこには、この街の地図が簡単に書かれていた。


 説明によると、まず補助班のうち誰かが魔王軍の幹部の見た目と、軍の規模をギルドに伝達。ギルドで幹部の照合を行い、分かっている事を折り返し全体に伝達する。

 軍が幹部2人だけだった場合、前衛班をリーダーの5人に絞り込み、他の前衛班は補助班に。幹部以外にも、魔物や眷属がいた場合は、前衛班が対処。人数が足りなければ補助班から追加。


「質問でーす。」


 その声の主は俺だ。


「魔物と眷属って、どういう違いなんですか?」


「魔物というのは、一般的な魔物を支配し、連れてきた場合。眷属というのは、魔王軍に属している、幹部の手下みたいなもの。それぞれの幹部の能力が、大きく反映されるんだ。」


 つまり、普段戦っているような魔物が来る可能性もあるし、魔物とは違う手下が来る可能性もある、という事だ。確かに、魔王軍、というのなら幹部の手下がいないとおかしな話だしな。


 その後も説明は続いた。補助班は基本、前衛の支援か後衛に入る事。救護班が間に合わなくなってしまった場合、補助班の魔法使い系統を引き抜くので、前衛への支援が薄くなってしまう事。


 アルバルトさんからの説明が終わった後も、ああしたら良いだの、こうしたら良いだの、会議というよりも議論に近いものが行われた。


 ミアが船を漕ぎ始めた辺りでお開きとなった。しっかりと睡眠を取る必要があるので、皆部屋に帰ってすぐ寝るようだ。勿論、俺もだ。

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