神蝕
BG 「私にとって最大の疑問は、疑問をもたないことだ」
疑いをもたない、
それは過去をもたない、
と同じじゃないのかな?
僕はそう思い問いかけた。
BG 「人の両目は前を向いているが、人は過去をみて前へと進んでいる。過去を経験として、そこから学ぶ。時には歴史からすら学ぶのが、人の理性の根幹であり、君の国で宗教者が述べているように、まさに人が神から独立して成人と化した時代だ。けれども、だからこそ、疑問は無制限に増えていくはずだが、私は何一つとして疑問に思えない」
僕はじっと考える。
BG 「その私から君に提案がある。それは、君の代理人をつくらないか、ということだ」
僕 「代理人」
BGさんのいうことを要約すれば、こんな風になる。
未来が確定しているとすれば、時間は結果論的に因果的であるだけであり、決してその生成から因果論的ではなく、本来的には結果があり、そこから原因・過程が生成されてくる。
故に、まず、結果を確定する必要がある。
その上で、結果を確定した存在と擬似的な存在によって、そこに至る過程を生成する必要がある。
確定した存在は過程を生成することができない。
確定した存在は「確定」として働きをした時点で、他の確定されようとしている、また、確定している素因の一つになるが故に、不可変化するからだ。
であるから、その確定する存在は、観察者としても、干渉者としても、実行者としてもあることは不可能である。
よって近似者としての代理人が必要となる。
考えようによっては、BGさんいうように、成人化した人間が神を蝕む行為そのものも思えるし、その真逆とも思えた。
そして、一番の驚きは、その「代理人」は、僕が考えいて「代理人」と同じだったからだ。